誰もが憧れる「空の旅」。「吉川忠行の天空万華鏡」では、航空ジャーナリストの吉川忠行が、「空」の裏側を様々な形でリポートする。国内大手2社(全日本空輸・ANAや日本航空・JAL)からLCC(格安航空会社)、海外航空会社の動きを取材。安倍政権の経済政策「アベノミクス」では、その一環として、2013年の訪日外国人観光客を過去最高の1000万人まで増やすと掲げている。彼らを運んでくるのは航空会社にほかならない。あまたの規制が残る日本の航空産業がその壁を打ち破って、一層の飛躍を遂げられるのか。コラム内では、乗客の視点から、快適なシート、機内サービス、ラウンジの活用方法も紹介。「空」で活躍する女性たちの姿にも迫る。
シリーズ
吉川忠行の天空万華鏡

完結
46回
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関空冠水で考える…空港民営化は万能薬なのか
空港民営化の動きが広がっているが、民営化3年めを迎えた関西国際空港(関空)と大阪国際空港(伊丹)の現状をみると、必ずしも民営化が空港の運営手法として「万能薬」とは言えない。公共インフラとしての役割と民間企業に求められる営…
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緊張感のないMRJ。航空ショーに模型すらなし
2月上旬にシンガポールで航空ショーが開催された。三菱航空機のMRJはブースに模型すら置かず、海外メディアは首を傾げていた。リージョナルジェット機の雄であるブラジルのエンブラエルが積極的な営業を展開するなか、MRJはライバ…
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ピーチが航空会社と組まないワケ
国内のLCC(格安航空会社)が参入し、早くも5年が過ぎた。高いサービスレベルを求める日本には根付かないという意見も当初多く聞かれたが、LCCがこれまで空の旅を積極的に選択しなかった人たちの需要を掘り起こしたのは間違いない…
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ANAとJALが機内食新メニューに競争を注入
全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)が、9月から機内食のメニューを刷新する。ANAは交流サイトでの人気投票に基づき洋食などを提供。JALは競技会を勝ち抜いた気鋭の料理人が監修するメニューを用意した。機内食を強化する背…
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空港民営化でサービス低下の皮肉
全国で空港の民営化が相次いでいる。民間の経営力でサービスが向上するイメージがあるが、関西国際空港の民営化ではサービスの後退が見受けられる。運営する関西エアポートは情報公開が後退し、関係者の批判を浴びている。
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崖っぷちのMRJ、ようやくスタートラインに
6月19日からパリ郊外のル・ブルジェ空港で開かれたパリ航空ショーでは、三菱航空機が開発するリージョナルジェット機「MRJ」の実機が初めて出展された。ライバルが着々と追い上げる中、崖っぷちのMRJに勝算はあるのか。
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LCC一人勝ちのピーチが正念場
国内のLCC(格安航空会社)で唯一、好調に業績を伸ばしているピーチ・アビエーション。4月以降、同社は国内最大手のANAHDの子会社となる。ユニークな経営手法で成功を収めたピーチは、その独自性を維持できるのか。正念場を迎え…
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愛犬と一緒に乗れる「ワンワンフライト」
2016年にはANAが、2017年にはJALが、愛犬と一緒に飛行機の客室に乗り込み、旅を楽しめるツアーを企画。愛犬家にはこの上なく魅力的に映るツアーだが、なぜ両社は、こんな企画を実行に移したのか。ツアーに同行してみた。
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MRJは果たして“売れる飛行機”なのか
1月、三菱重工業が製造する国産初のジェット旅客機「MRJ」の、5度目の納入延期が発表された。納入が遅れる間、世界最大のライバルは着実にMRJの強みを取り込もうとしている。MRJ、そして日本の航空産業は世界とどう戦うのか。
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JAL、マイルで始めた”リアル桃鉄”
JALがマイレージを活用した面白いサービスをスタートさせた。通常の必要マイル数の半分で特典航空券が取得できるものの、利用者が行き先を決められない「どこかにマイル」だ。“リアル桃鉄”とも言われるサービスをつくったワケとは。
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ANA、JALが接客コンテストを開くワケ
2016年の11月にはJALが、翌12月にはANAが、空港に勤務する地上係員の接客スキルを評価するコンテストを開催した。両社とも単に接客技術を競う場だけではなく、「誉める場」「モチベーションを上げる場」としてコンテストを…
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制服にサロペット復活させたエア・ドゥ
この11月、国内中堅航空会社のスカイマークとエア・ドゥが20周年を迎えた。新たに採用した制服を見ると、2社が今後、打ち出したい「強み」がよく分かる。スカイマークはしっかりとした「ザ・CA」といった印象、エア・ドゥは「北海…
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「デカい大阪」の上海へ乗り込むLCCピーチ
日本のLCC(格安航空会社)、ピーチ・アビエーションが今年11月、羽田空港と関西国際空港から、中国・上海へ向かう新路線を開設した。日本のLCCが初の中国本土路線を開設した狙いは何か。ピーチの井上CEO(最高経営責任者)に…
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高級座席やネット接続…進化する国内線
国際線と比べるとフライト時間の短い国内線だが、ここでも大手2社が切磋琢磨している。特に全日本空輸(ANA)が導入する新機材A321ceoでは、国内線で初めて電動シートを導入した。ほかにもネット接続や充電など、サービスの拡…
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この冬、旅に出るならホノルル便を使え!
この秋以降、国際線で大きな動きがあるのがハワイのホノルル路線だ。ANAとJALは、より現地滞在時間を有効に活用できるようにダイヤを調整した。日系2社を迎え撃つハワイアン航空も、新シートを導入し、満足度を高めるよう工夫して…
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成田空港に新滑走路は必要なのか
今後の航空需要の増加や、混雑緩和を見込み、成田国際空港では現在、第3滑走路の建設が検討されている。だが、航空会社やパイロットに話を聞くと、滑走路の建設以前に対処すべき問題があることが分かった。成田空港に新滑走路は必要なの…
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ANA対JAL、極上ラウンジ対決
伊丹空港や福岡空港、新千歳空港などでは、続々とターミナルビルの改修が続き、それに合わせて、大手航空会社のラウンジでもリニューアルが続く。ANA、JALも顧客囲い込みのために、極上のラウンジを用意する。その内側に迫った。
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台湾乗り継ぎ、8時間でホーチミンへ!
日本のLCCバニラエアが成田~ホーチミン線を開設した。直行便ではなく、台北で乗り継ぎ、フライト時間は8時間かかる。初便に搭乗してみると、成長が見込める旺盛な需要と、いくつかの課題が明らかになった。
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さらば!日本の航空産業育てたボーイング777
この夏、お盆休み明けの羽田空港から、ある大型機がひっそりと飛びだった。日本初のボーイングボーイング777型機が売却先に向けて旅立ったのだ。ジャンボやA380のようなインパクトはないが、777は過去20年、日本の航空産業を…
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なぜANAでトラブルが続発しているのか
今年、ANAにトラブルが相次いでいる。春には予約システムの不具合によって大量の欠航・遅延などが発生。繁忙期の夏には、受託手荷物の未搭載やエンジン部品の不具合なども発生した。一見すると原因はそれぞれ異なるが、共通する課題も…
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総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
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グルメサイトという幻
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
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テスラが仕掛ける電池戦争
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回