「睡眠負債」が新語・流行語にランクインするなど、不眠が社会課題の日本。周囲やベッド内部の情報をセンサーで検出し、温度などを制御して快適な睡眠を促す。睡眠データの取得方法は多種多様。新市場の勝者の条件はいかに。
(日経ビジネス2018年9月3日号より転載)
最高気温40度超という、記録的な酷暑に見舞われた日本。だが9月に入ると暑さが急速に和らぎ、夜間は20度近くまで下がるのが通例だ。急な気温変化に身体が順応できず、睡眠不足から体調を崩す読者が増えるかもしれない。
少しでも睡眠の質を高めたい。そんなニーズを捉えることで支持を集める商品がある。家電スタートアップのレイコップ・ジャパン(東京都品川区)が手掛ける「ふとんコンディショナー (FUTOCON)」。掃除機型のふとんクリーナーを累計600万台出荷し、一躍有名になった同社が放つ第2弾だ。
使い方は簡単。敷き布団などの上に専用マットレスを載せ、就寝と起床時刻を設定するだけ。普段通り眠りにつけば、寝床内の温度を制御してくれる。
今年2月下旬に発売し、直販サイトでの価格は13万8240円(税込み)。高額だが販売は堅調で、「特に40代、50代のビジネスパーソンからの引き合いが強い」と、同社マーケティング課の高吉史彬リーダーは明かす。
商機を見いだしたのはレイコップだけではない。2018年に入り、世界中のテック企業が睡眠市場に熱視線を注ぐ。IoTやAI(人工知能)などの最新技術を駆使して快適な睡眠に導く、「スリープテック」と呼ばれる技術だ。
同分野にはスタートアップが相次いで参入。今年1月に米ラスベガスで開催された家電見本市「CES」では、スリープテックの専用ブースが初めて設置され、フランスのウィジングスなどが独自の最新技術を披露した。日本でもニューロスペース(東京都墨田区)やウェザリー・ジャパン(東京都新宿区)などが商品開発を加速している。
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