シリーズ
上野泰也のエコノミック・ソナー

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岸田・バイデン・習近平が目指す「中間所得層の拡大」は実現可能?
「中間所得層の復活あるいは拡大」を経済政策面の大きな課題に設定し、その実現を目指そうとする政治指導者の動きは、実は日本、米国、中国で共通している。
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不況下の物価高「スタグフレーション」襲来? 利上げは自滅への道か
10月の金融市場では、経済のサプライサイド(供給側)の障害、具体的には半導体不足や人手不足などが足元でインフレ率の急上昇につながっていることに着目した「インフレ懸念→欧米中央銀行による早期利上げ」が大きなテーマになってい…
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「金正恩は何を狙っているのか?」を最近の動きから読み解く
「コロナ前」の話になるが、筆者は中国・北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)国境を流れる鴨緑江の北側に位置する中国の遼寧省丹東市に宿泊するなどで、リアルな「北朝鮮ウォッチ」を試みたことが2度ある。
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残業地獄だけでない 「キャリア官僚」が不人気になった理由
SNSやブログなどで見かける、匿名で発信されている中央省庁の勤務実態は、「国会待機」と呼ばれる非合理的な業務負担の重さを中心に、昔とほとんど変わっていないように見える。
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中央銀行の世界に「白サギ」が登場、脱「ペンギン」願望も?
中央銀行の世界では、景気過熱・インフレ警戒色が強く、金融緩和縮小、利上げなどの金融引き締めに積極的な人々がタカ派。逆に、景気悪化・デフレへの警戒心がより強く、金融緩和強化に積極的で金融引き締めには消極的な人々が、ハト派と…
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オセアニアの2つの中央銀行は今回も「FRBの先行指標」なのか?
量的緩和の縮小(テーパリング)・停止、さらにはその先の利下げのタイミングを市場が材料にしている現在の局面でも、2019年の時のように、RBNZやRBAはFRBの動きに対する先行シグナルになるのだろうか。
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自民党総裁選「票読み」と日銀「異次元緩和」に影響するシナリオ
注目の自民党総裁選挙の国会議員票投開票が9月29日にある。今回はいわゆるフルスペックの総裁選になる。合計764票を争う仕組みで、過半数(383)を獲得した候補が勝者になる。
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ワクチン接種など「公的需要」がGDPを押し上げているが……
内閣府経済社会総合研究所が9月8日に発表した4~6月期の四半期別国内総生産(GDP)2次速報で、実質GDPは前期比プラス0.5%・同年率プラス1.9%になった。1次速報の前期比プラス0.3%・同年率プラス1.3%からは上…
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「お金を使う欲求のマグマ」がコロナ下でたまっている?
「コロナ前」のセンチメントへと人々が完全に復帰し、何もなかったかのように消費支出を持続的に増やしていくというのは、現実的な想定であるようには筆者にはどうしても思えない。
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冬場に向けて意識すべき新型コロナ「5つのリスク」
これから冬場にかけて日本の内外で、新型コロナウイルスの感染状況はどう推移するのか。感染者数の推移などを事前に正確に予測するのは困難だが、5つの点をリスクとして認識する必要があるだろう。
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「ガソリン高騰は放置せよ」刺激的すぎるサマーズ発言
ホワイトハウスは同時に、米連邦取引委員会(FTC)に対し、国内におけるこのところのガソリン価格上昇の背景に違法な取引慣行などがあるかどうかを調査するよう要請した。
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景気を刺激した?「東京五輪」開催中の「家ナカ需要」
東京五輪が原則無観客で開催された。五輪開催の経済的影響に関する景気ウオッチャーの認識は、実際に開催されてみて、どう変わった、あるいは変わらなかったのだろうか。
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「デルタ型」で変化した戦いの様相、3回目ワクチンに倫理上の問題
人々のワクチン接種がかなり進んできた国でも接種率は頭打ちになっており、感染力が強い変異株の出現も考え合わせると、「集団免疫」状態への到達は現実問題として不可能に近い。
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日銀が始める「気候変動オペ」に噴出した賛否両論
「気候変動関連分野での民間金融機関の多様な取り組みを支援するための新たな資金供給の仕組み」、いわゆる「気候変動オペ」の骨子素案が予告通り、7月の金融政策決定会合終了後に公表された。
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ワクチン接種がある程度進めば「コロナと共生」可能?
十分信頼できて即効性も伴う治療薬が開発されて普及しなければ、新型コロナウイルスがインフルエンザのような存在に変わり、「共生」が可能になって今回の危機が完全に収束することはないだろう。
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「女性比率」や「出身地」で日銀政策委員会を考えると……
筆者は以前からG7(主要7カ国)の中央銀行について、金融政策を決める上部組織のメンバーのうち女性が何%を占めているかを示す「女性比率」を継続的にウオッチしているのだが、6月下旬に新たな動きがあった。
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企業の動きを示す「ちょっとマニアックな統計」2つ
正式名称「全国企業短期経済観測調査」、いわゆる日銀短観の6月調査の概要が7月1日に公表された(回答期間:5月27日~6月30日)。重要な経済指標であり、海外のエコノミストや市場参加者にもそのまま「TANKAN」で通じるが…
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本当に「ペントアップ需要」が個人消費の起爆剤になる?
日銀から6月23日に、金融政策決定会合(4月26、27日開催分)の議事要旨が公表された。「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の内容を政策委員たちが議論した会合であり、日本の景気見通しで意見がそれなりに分かれた部分があ…
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東京五輪開催は景気を刺激? かえって悪化?
今回は五輪開催に関して、全国の各分野のウオッチャーから寄せられた数多くのコメントの中から、関連するものを整理して引用したい。やや数が多くなるが、現場から出てきているナマの声には価値があるからだ。
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祝・連載400回 年齢を重ねることは罪? 「役職定年」で思うこと
今回の掲載でこのコラムは第400回になった。お読みいただいている皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げたい。ネタ切れの恐怖と闘いながら8年くらい続けてきたわけだが、この先いつまで続けられるかは、現在58歳の自分にも正直わ…