環境、会計など様々な分野で影響力を誇示する欧州の経済情勢を、現地の専門家がマクロ、為替、金融政策、M&A(合併・買収)など様々な観点から分析する。
シリーズ
Money Globe ― from London

完結
16回
-
異例のプーチン発言に見る日露領土問題の光明
東方経済フォーラムで飛び出した「平和条約を先に……」というロシア・プーチン大統領のサプライズ発言を巡って、日露関係について様々な解釈がなされている。日本は領土問題が先というスタンスを譲れないものの、日露関係の歴史や、両首…
-
W杯が浮き彫りにする日本の国籍放棄問題
今回のロシア・ワールドカップ(W杯)は移民に加えて、複数の国籍を保有する重国籍者の活躍が目立つ。日本は二重国籍を認めておらず、海外在住の高度人材が日本国籍を放棄するケースがある。また日本で暮らす移民が急増するなかで、二重…
-
プーチン大統領、W杯で朝鮮半島問題にくさび
ロシア・ワールドカップの開会式出席者の中で、耳目を集めたのは北朝鮮のナンバー2と言われる北朝鮮最高人民会議常任委員会の金永南(キム・ヨンナム)委員長だ。ロシアのプーチン大統領がW杯に参加しない北朝鮮幹部を招いたのはなぜか…
-
プーチン圧勝の大統領選から何を読み取るべきか
国の財政状況が安定し、ロシア国債の格付が引き上げられているにもかかわらず、向こう数年間は飛躍的な経済成長が期待できないのは、高い成長への構造的なハードルが存在しているからだ。
-
迫るイタリア総選挙、侮れぬベルルスコーニ旋風
金融市場が最も警戒するシナリオは、ポピュリズム政党である五つ星運動と北部同盟との連立政権樹立であろう。反体制派の北部同盟が、政策面で不協和音がある中道右派連合を見限る可能性もゼロとはいえない。
-
「次の金融危機に備えよ」、BISが鳴らす警鐘
幸せの国として知られるノルウェーが、過去に日本以上に深刻なバブル崩壊に直面したことはあまり知られていない。ノルウェーでの過去の教訓は、次に起こりうる金融危機のケーススタディーとして学ぶべきことが多い。
-
厳格な制裁下でも…ロシア、驚愕の経済成長
米国による対ロシア制裁が続く中、ロシア経済発展省は半年ぶりに経済見通しを上方修正した。「目標」シナリオでは20年までに3%超の経済成長達成を目指すという。2年前の厳しい景気後退を考えれば野心的ともいえる目標設定だ。
-
英EU離脱、知られざる金融機関最大の「被害者」
ロンドンは、全世界におけるユーロ建てデリバティブ商品清算の4分の3を担う。ブレグジット以降、EU域外国となる英国で清算の大半が行われることをECBは問題視している。このため、ユーロ建て取引の清算機関がEUに移転する場合は…
-
米国の対ロシア制裁、ツケを払うのは日本?
現地6月15日、米上院で対ロシア制裁の拡大・強化を修正条項として盛り込んだ対イラン制裁法が採決にかけられ、賛成多数で可決した。法案が最終的に成立した場合、悪影響はロシアのみならず、欧州諸国や日本にも及ぶ可能性が高い。
-
“火星人の助け”なしに持ち直したロシア経済
2008年の世界金融危機時、ロシアではこんなエピソードが話題にのぼったことがある。その年の9月に米リーマン・ブラザーズが破綻、世界経済がパニックに陥ったさなか、プーチン大統領は政府高官に緊急の危機対策を立案するように命じ…
-
日露会談、領土問題の先にある巨大な“果実”
ロシアのプーチン大統領の来日まで後2カ月余りとなった。戦後70年余りを経ても双方の歴代リーダーたちによる領土問題解決に向けた努力が実らず、日露間では平和条約が未だに締結されていない状況が続く。ただ、この「異常状態」が今度…
-
イタリアで実感、やはりEUは持続不能?
欧州では今後9カ月の間に、政権の命運を握る国民投票や総選挙が目白押しだ。政治リスクが高い不透明な時期が続くとみられる。特に注目されているのは憲法改正を問う国民投票が12月4日に実施されるイタリアであろう 。
-
英EU離脱問題、日系金融機関も他人事ではない
英国ではいよいよ6月23日にEU(欧州連合)残留の可否を問う国民投票が実施される。投票日まで2週間を切ったところでの世論調査によれば離脱支持がじわじわと伸びはじめている。
-
「仕事がない!」欧州エリートバンカーの苦悩
英国人に限らずフランスやイタリアなど、ロンドンに集う多国籍な親達同士で、不況下に喘ぐ欧州銀行の不景気な話で盛り下がることもしばしばであった。
-
欧州銀行を襲った信用不安の元凶「AT1債」とは
AT1債の発行銀行はクーポンの支払い停止判断に関して完全な裁量を保持している一方、支払停止が発行銀行の債務不履行を意味するわけではない。「AT1債のクーポン支払い停止は事実上の債務不履行」という誤解が広がり、今回の欧銀株…
-
日銀のマイナス金利がフィンテックを加速!?
日本銀行は、金融政策決定会合でマイナス金利の導入を決定した。既に欧州では、ユーロ圏、スイス、デンマーク、スウェーデンがマイナス金利導入に踏み切っており、英中央銀行のイングランド銀行でも一時導入を検討するなど、各中銀の金融…
おすすめのシリーズ
-
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
-
徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
-
クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
-
不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
-
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
-
1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
-
10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
-
河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
-
ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
-
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
-
グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
-
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
-
ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
-
テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
-
70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回