コンサルタントは様々な「レンズ」を通して経営を見つめています。レンズは使い方次第で、経営の現状や課題を思いもよらない姿で浮かび上がらせてくれます。いつもは仕事の中で、レンズを覗きながら、ぶつぶつとつぶやいているだけですが、ひょっとしたら、こうしたレンズを面白がってくれる人がいるかもしれません。
【「経営レンズ箱」】2006年6月29日~2009年7月31日まで連載
シリーズ
御立尚資の帰ってきた「経営レンズ箱」

完結
66回
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読める未来、読めない未来、そして作る未来
当コラム、日経ビジネスオンラインの全面刷新に伴い、今回が最終回となる。2010年4月から2019年1月まで、前身の「経営レンズ箱」も含めれば、2006年6月以来、本当にありがとうございました。
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維新後の東京、市井の人々はどう生きたか
時代が移り変わる時に、何が起こるのか、ということに大変興味がある。もちろん、今が時代の変化の「とば口」にあるという認識だからだ。維新期の東京について、非常に面白い本に出会った。『江戸東京の明治維新』(横山百合子著、岩波新…
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科学は、どこまで地球や人類を「操作」できるか
先だってのNature誌(2018年11月29日号)に面白い記事が出ていた。太陽光ジオエンジニアリングに関する実験の話だ。いざという時に備え、人工的に地球の温度を下げるための研究開発を進めようという考えが実験の背景にある…
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米国、中国双方に必要なのは「賢明さと正直」
『フラット化する世界』や『遅刻してくれて、ありがとう』で知られる米国のジャーナリスト、トーマス・フリードマン。彼が米紙に寄稿したコラムが議論を呼んでいる。現在のトランプ政権と中国当局が棚に上げているポイントをしっかりつい…
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「素人以上、玄人未満」のススメ
イノベーションの大きな源泉のひとつは、異分野の知識・知見を組み合わせることである。これを実現するためには、単純に異分野の専門家を複数集めればよいというわけではない。彼ら、彼女らをつなぎ、イノベーションを促進する触媒的存在…
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もっと観光「資産」作りに投資を
国レベルの観光政策は、かなりやるべきことをやってきた。そろそろ、地域レベルで、「民間企業と住民が主導し、金融機関と自治体がサポートする」、そんな景観への将来投資が増えていくべき時期なのではなかろうか。
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イノベーションを生むアートな直感力
あちこちでSTEM教育の重要性が言われる。Science, Technology, Engineering, Mathで、デジタル時代には理数的教育が不可欠なのに、今の教育システムでは十分に満たされていない。個人的には、…
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トランプがぶち壊す「戦いの品格」
オバマ氏やマケイン氏、あるいはここでは触れなかったがブッシュ氏にも共通する「価値観」と政治論争上の「約束事」。これが、中世の戦の「作法」と同様、時代遅れなものとなっていくのかどうか。今はその重要な分岐点にあるのだと思う。
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顧客は、「買い手」から「サポーター」へ
モノやサービス自体を売り込もうとするのではなく、それを提供する上での「自分たちの価値観」を明確に伝え、共感してくれる人たちに「サポーター」という名の顧客になってもらう。そういうビジネスが増えてきていることをひしひしと感じ…
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何を変革すべきかより、どう変革すべきかだ
「日本のここがいけない」「こう変えるべきだ」という「what」の議論は溢れており、論点自体はほぼ出そろっている。それに比して「how」すなわち「どう変えるのか」「どう変革する力を生みだしていくのか」という議論は少ない。
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トランプにも一分の理、なのか?
「トランプにも一分の理」。最近、米国の友人と話していると、こういった意味の意見を言う人が増えている。とはいえ、いわゆる“隠れトランプ”層というわけではない。
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現代版「お雇い外国人」のススメ
日本の産業構造自体を変え、一人あたりGDPのレベルを急速にキャッチアップするためには、既存の製造業、サービス業へのAI・データサイエンスの実装が、最重要である。
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この世界は、あなたが思うほど悪くない
古い情報に基づく思い込み、あるいは、心理的なバイアスで、極端な事例だけが頭に残り、一般化するような思い込み。我々には様々な思い込みが存在し、知らず知らずのうちに、それらに基づいた議論を展開してしまいがちだ。だが、バイアス…
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外圧だけで、明治維新は起こらなかった
外圧が日本の明治期の大政奉還・王政復古に繋がったというのが一般的な理解だ。しかし、外圧だけで一種の革命である維新が貫徹され、急速な近代化に繋がったわけではない。
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日本酒がグローバル市場で勝つためには
日本酒をグローバル市場で大きなビジネスにしていく上で、「フレッシュな冷酒」一本槍では、需要拡大、市場価値増大のボトルネックになる。どうするか。
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良いポピュリズムと悪いポピュリズム
今年は横山大観の生誕150年。このため、大きな展覧会やメディアでの特集が相次いでいる。大観には、戦時中の戦争協力に対する批判が根強くある。
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世界を揺るがす「俺たち対あいつら」
地政学リスク分析で知られる畏友イアン・ブレマーが、4月末に米国で新著を出版した。各国国民の心の中にある不満と、それを巧みに「彼ら、あいつらがその原因だ」と煽り権力獲得に利用しようとするポピュリスト政治家の心理戦術が主題で…
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成長する企業50社リストに見る「下剋上」
昨年10月に、“Fortune Future 50“というリストが公表された。デジタル技術の活用で、業界構造を変えたり、業界内の順位を下剋上でひっくり返す企業が数多く現れるようになってきたのはご高承の通りである。
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「生産性向上」と「霞が関の会議」
霞が関や官僚への批判が強まっているが、本来、日本の官僚組織は、簡単でない話もきちんと前に進める能力がある。「省庁縦割りを打ち破ろう」という動きもある。一方、中央政府で作られた政策を実行し効果をあげていくには、多くの場合、…
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日本の文化ストック“活性化”の秘策とは
日本の文化ビジネスを世界へ浸透させていくには、「ストックを動かす」ことが重要となる。そのための手立てとしては、日本美術のストックを買い取る公的ファンドを作るといったことも考えられる。また、海外のキュレーターや研究者を定期…
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