「スポーツビジネス先進国」と言われる米国。その市場規模や人気などで日本を凌駕する。そこでは、日本にいては思いつきもしない先進経営が繰り広げられている。だが、進みすぎたが故の問題も内包する。米在住のスポーツマーケティングコンサルタントが、米国スポーツビジネスの現場を歩き、最新トレンドを解説していく。
果たして、米国は日本スポーツ界の「模範解答」となるのだろうか?
シリーズ
鈴木友也の「米国スポーツビジネス最前線」

完結
15回
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ZOZO球団構想を球界改革の機会に
今回はプロ野球球団を増設する前提として長期的視野からの球界発展のために整えておく必要のある施策を整理してみようと思います。
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東京五輪を“レガシー詐欺”にしないために
「東京五輪は“レガシー詐欺”だった」と記憶されないためには、莫大な開催費用に見合ったレガシーが生み出されたのか検証する必要があるでしょう。今回は「レガシー」を定量的に算出する米国での最新の試みをご紹介しようと思います。
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米最高裁がスポーツ賭博を解禁
5月14日、米最高裁判所が事実上スポーツ賭博を解禁する判断を下しました。今後、各州政府がスポーツ賭博の制度を整えていくことになります。一方で、八百長の誘発といった負の側面への対処も求められます。
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運動施設の命名権、米国より収益性が低い訳は?
日米のスポーツ施設を比較すると、顧客サービスレベルや集客力、収益性にまだ大きな差があります。日本では、命名権契約については大きく誤解されているように見えるうえ、共同設立パートナーに至ってはほとんど浸透していません。米国の…
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米国で急拡大、ユーススポーツビジネスの不安
アメリカで大学スポーツを凌駕する巨大マーケットとして、ユーススポーツ(高校生以下を対象)が急速に拡大しています。このため子どものスポーツの専門化が進んでいますが、アスリートとしての総合的な運動能力の開発が遅れるリスクが指…
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広がる“ソーシャルスポンサーシップ”の可能性
2020年の東京オリンピックを控え、多くの企業がこれを事業拡大の好機と捉えています。今回は、協賛企業のメリットを拡大する「イシュー・ドリブン」の取り組みと、その進化形として社会課題の解決に発展させた「ソーシャルスポンサー…
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東京五輪で利権の泥沼にはまらないために
多くの企業が東京オリンピックを大きな商機ととらえ、年間数十億円といった巨額の資金を投じて公式スポンサーに名乗りを上げています。利権バブルに終わらないよう、東京五輪後も視野に入れた持続的成長を実現するためにはどのような視点…
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タックル禁止やヘディング禁止は当たり前?
アメリカンフットボールのタックルやサッカーのヘディングといったプレーが選手の脳疾患のリスクを高めるということで、欧米で訴訟が相次いでいます。スポーツ組織の幹部は、もはや「知らなかった」では済まされない時代にいるのだという…
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トランプ政権はMLB拡張と五輪招致に悪影響か
トランプ政権は製造業の生産拠点を米国内に取り戻すことによって、雇用を生み出す方針を掲げています。こうした産業保護政策の影響を最も大きく受けるのは、実は米メジャーリーグ(MLB)かもしれません。また、2024年のロス五輪招…
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市場効率性と社会道徳の間で揺れるチケット転売
日本でのチケット再販ビジネスはまだ「静観」フェーズ。むしろエンターテイメント業界は再販に否定的なスタンスを採っている。日米との違いを整理しながら、再販ビジネスの問題点を探る。
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Wシリーズのチケットが平均60万円超えた理由
米大リーグのワールドシリーズのチケット価格は再販市場で平均60万円を超えた。日本シリーズの最高値は8万円。なぜこれほど日米でチケット再販価格に差がついているのか。米国には、試合の「本当の価値」を価格に反映する再販市場が形…
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「日本版NCAA」創設に横たわる課題
スポーツ庁が「日本版NCAA」の創設に向けて検討を始めた。モデルにしているのは米国の大学体育協会(NCAA)。しかし、米国では成功の裏に影の部分もある。日本の課題と合わせて、日本版NCAAの目指すべき姿を探る。
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Jリーグを遙かに凌ぐ、米大学NCAAの稼ぎ方
大学スポーツのビジネス化を目指して、国は全米大学体育協会(NCAA)をモデルとする「日本版NCAA」創設を本格的に検討している。巨額の収益を生み出す米国のNCAAの成功要因とは何か?
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東京五輪の公式スポンサーがいますべきこと
東京五輪の開催に向けて、スポンサー企業は協賛効果を十分に生み出すための準備を進める必要がある。一方、協賛企業の多さや、影響力がもたらすリスクなど、スポンサー企業を取り巻く懸念点も見えてきた。
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タブー視されてきた選手のメンタルヘルス問題
元プロ野球選手の清原容疑者が覚せい剤取締法違反で逮捕された。彼の行為に弁解の余地はない。ただ、日本のプロスポーツ界も、過酷な環境下にある選手を守るメンタルヘルス・プログラムを導入すべき時期にあるのではないか。
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
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10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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