日本語は今や、ウェブ上で全世界でもっとも流通している言語だといわれるまでになった。しかも、読む人間より、書く人間の方が圧倒的に多いのだという。それほどまでに人々が文章を書いている一方で、相手に何かを伝えることの難しさは、むしろ増えているように思える。「誰もが発信者」、そんな史上初のシチュエーションを迎えた今、いったい私たちの「コミュニケーション」はどこに行くのだろう。広告の世界でクリエイティブディレクターとして活躍する岡康道氏と、コラムニストの小田嶋隆氏が、高校時代の同級生という縁から始まった「伝達」について、ゆるゆると語り尽くす…はずだったのだが?
シリーズ
人生の諸問題

完結
15回
-
“超絶技巧タックル”に学ぶわれらの諸問題
あくまでも僕の推測だけど、宮川君のような優秀な選手が納得して聞くわけはないんです。ということは、彼はそれまで、上からの指示は上手にかわしていたんだと思う。すると、ばかな監督とコーチは内心、面白くないですよね。
-
偏差値70の高校野球選手は大学に行くべきか?
スカウトもおそらくは吉田投手に斎藤佑樹の幻影を見たと思うんですよ。つまり、投げ過ぎの肩を心配したというより、すでに投手人生のピークを過ぎたんじゃないかということですよね。
-
50代のあなた、大学教授に転職したいですか?
俺らの親父の世代にとっては、大学で先生をやるということは、それがどんな形であれ、すごいことだった。だから、俺が非常勤の話を何となく引き受けちゃったのは、「親父が喜んだろうな」と、その感傷みたいなものにフラついちゃったから…
-
オダジマの鉄則「一言多いやつは出世しない」
ばかなやつが偉くなっているのか、ばかなふりをしているやつが偉くなっているのか、よく分からない。あそこにいる役員のあいつが、本当のばかか、そうじゃないか、分からない。ルールも真実も、どんどん分からなくなって、これは苦しい。
-
諸問題を回り道して、さて人生の目的地は?
「だいたい小田嶋先生が早稲田大学の非常勤講師に任命される時代ですから、早稲田大学の権威というものも、揺らいでいますよね」「非常勤講師って、いずれ教授になるの?」「なわけないでしょう」
-
俺は生きて見られるか、次の横浜の日本シリーズ
ACC(全日本シーエム放送連盟)のグランプリはまた取れるかもしれないけれど、ベイスターズの日本シリーズというのは、次は俺、死んでいるじゃないか。死んでいなくても、少なくとも80歳は越えている。
-
男の理想の老後は、少年野球のコーチ?
僕、この間、ナガツカにノックの練習を頼んだんだよ。そうしたら、それがすごくうまくて。地をはうように球がばばばばばばっと来るノック。体中に当たって、内出血だらけになった。もう大変。
-
社会とぎりぎり握手できる、ちょっと変な僕ら
21世紀に入ってからは、精神障害の病気は軽症化しつつ、数が顕著に増えている。明らかにおかしいとか、とんでもなくおかしい人って減ったんだって。その代わりといっちゃなんだけども、ややおかしい人は増加した、と。
-
60歳からの「ハローワーク」を考える
ローリング・ストーンズのミック・ジャガー(74)は若いころに、「60代になってロックなんてやってられないよ」みたいなことをいっていましたが、70代の今も、まだばりばりやっています(笑)。
-
スマホで読みづらいページは“番外地”?
モバイルのために特化したページを検索上位にするようにしたら、その結果、官公庁の山ほどPDFが載っかっているページとか、あるいはスミソニアン博物館とか、そういったページが、検索下位にどーんと落ちちゃったという。
-
報われずにはしご外されたら、そりゃ怒るよ
こいつらの天下りを許すな、こいつらの退職金を減らせ、いい気になったエリート意識をつぶせ、といって、全部やめさせたら、まあ、本人たちはやってられないですよね。
-
男は50歳過ぎたら“半分うつ”だよね
前回の掲載から1年と半年。「諸問題」チームもみんな、それぞれに年を重ね、時の流れに身を任せているうちに、トランプ、北朝鮮情勢、過労死、と、ますます怖い世の中になり、岡さん、オダジマさんも還暦越えを果たしました。
-
入院とは「思い出の小箱」である
「小田嶋の怪我と入院の話をしてきたけど、この間僕も病院に行ったんだよ。舌の付け根の奥に何か突起物があるのに気が付いて」「それ、二枚舌というやつじゃないの?」
-
第三京浜を走るだけで、リア充な気がしたあの頃
前回の入院編に引き続き、今回は退院後のお二人のお話です。長い入院生活で、オダジマ氏の心と体には、なにか変化があったのでしょうか?
-
「入院したら『ジョジョ』よ」と娘に言われて
大変長らくお待たせいたしました。小田嶋隆さんの入院先で収録してからそろそろ1年経とうという遅れっぷりですが、「赤羽&入院編」、再開させていただきます。
おすすめのシリーズ
-
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
-
徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
-
クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
-
不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
-
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
-
1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
-
10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
-
河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
-
ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
-
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
-
グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
-
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
-
ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
-
テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
-
70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回