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 この数年間、本当に悩みました。雅史氏とは、お互い因縁の相手の前で油をかぶって火をつけて死のうかと話していたこともあります。しかし、思えば二期倶楽部は平凡な一人の女にすぎなかった私に天が与えてくれたギフトでした。この事業を通じて得た多くの経営資源を生かし、新たな資本を生み出していくことが、私に残された最後の仕事だと思い直しました。

教育事業で再出発

 合理性の行き過ぎた追求は、教育から文化が失われつつあることの象徴だと考えています。地域社会全体で子供を見守る場が崩壊しているためではないでしょうか。この問題を解決するため、新たな文化教育事業を立ち上げました。栄光での教育事業、30年超の文化リゾート事業を通じて学んできたこととも親和性が高い事業だと思います。

 その舞台がエデュリンク(東京・千代田)という会社です。雅史氏が栄光から離れた後、新たな学習塾の形を模索するため、15年に立ち上げました。設立直後、雅史氏は脳梗塞で倒れてしまい、私が経営を引き継ぎました。

 エデュリンクでは、子供の主体性を重視した教科指導を行う学習塾と、学習だけでなく子供の生活全般をケアする学童クラブを運営します。特に学童クラブは遊休地を活用し、地域教育に参画したい住民を中心に運営するボランタリーチェーン方式を採用しています。夜10時まで安価な値段設定で子供を預かり、日本を支える共働きの中間層の家族形成を支援します。

 那須町での文化リゾート事業もライフワークとして続けていきます。二期リゾートが所有していたガラス工房などの関連施設は我々の元に残りました。マンション分譲のタカラレーベンが、社会貢献事業の一環として、周辺の開発に協力もしてくれています。30年かけて造り上げたリゾートを5年ほどで新たな形で再建する計画です。物質的価値を重視するバブル期に誕生した二期倶楽部と比べ、心の豊かさ、体験する時間の豊かさといった感性価値を重視した施設になる予定です。

 二期倶楽部はもともと、一期一会の出会いに終わらず2度3度とお客様が訪れてくださる第2の故郷を目指して名付けられました。その理念は変わらず持ち続け、お客様が再び那須に戻ってきていただけるようたゆまず努力を重ねてまいります。