任務を終えて東京に戻ってきた隊員に対して、石原さんが「日本国民を代表して感謝する」と深々と頭を下げたシーンが印象に残っています。

石原都知事(当時)は放水作業を行ったレスキュー隊員全員に対して「国運を左右する戦いに生命を賭して頑張っていただいた。大惨事になる可能性が軽減され、国民を代表してお礼申し上げたい」と語った。

石原:戦争や大規模災害などが起きた時、トップに立つ人間は部下を危険な場所に送り込まなければならない。極論を言えば、「お国のために、お前、死んできてくれ」と言わなくちゃいけないんだから……。

言葉が詰まって……、見ているこちらが泣きそうになりました。

石原:……。

当時のお気持ちは?

石原:……。

 公務員というのは、日頃からいろいろと文句を言われたりすることがある。でも、警察官とか消防官とか命を賭して戦ってくれる人、日本国を守ってくれている人に対して、最低限の尊厳がきちんと守られていないんじゃないか、と思いますよ。

 それは公務員だけじゃなくて、自衛隊の隊員に対してもそう。民間人だって、国のために命を賭けて働いてくれている人はいる。

 例えば湾岸戦争の頃、ホルムズ海峡に機雷が仕掛けられて我が国のシーレーンが重大な危機に面していた。そんな物騒なときでも、中東から油を運んできてくれた船員さんたちがいる。彼らが命からがらの思いで油を運んでくれたからこそ、日本は生き延びることができた。

 私は当時、運輸大臣を務めていたので、国会でこう言う話をした。戦争のころ、「今日も学校に行けるのはお国のために戦った兵隊さんのおかげです」という歌があったでしょう。同じように、「今日も電気が灯るのもお国のために戦っている船員さんのおかげです」と。

 それで竹下(登氏、元首相)さんに、「船員たちを呼んで、総理大臣であるあなたが慰労した方がいい」と進言したんだ。そしたら竹下さんはすぐに動いてくれて、官邸に海運会社の人たちを呼んで、その労を労った。竹下さんも喜んでくれて、「誰も思い付かないことを言ってくれてありがとう」と感謝されたよ。

隊員に「処分する」と恫喝した海江田氏

現場で汗を流している人間からすれば、自分がやっていることをトップがきちんと評価してくれているかどうか、それは気持ちの上でとても大事なことです。その意味では、当時の菅直人内閣は問題が多いと言わざるを得ません。