日本のモノ作り企業が、曲がり角を迎えてから久しい。より良い品質の製品をより安く作る、すなわち製品起点のビジネスモデルだけでは、もはや高い収益を上げられない。目に見えない価値やサービス、生活様式などを満足させるビジネスモデル、このようなサービス起点の取り組みが今後のモノ作り企業には一層求められる。すなわち“もの”と“こと”の協働を力強く推進していかなくてはならなくなってきている。では、このような大きな転換をどのように進めていくのか? 産官学で経験を積んだ筆者が、様々な識者との対談を通して、日本のモノ作り企業が再び競争力を取り戻すためのすべを探っていく。
シリーズ
“ものこと双発”で起こそう産業構造革命

完結
13回
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産業構造は「製品別」から「社会システム別」に
オープンイノベーション2.0では、事業モデルが大きく変わり、さまざまなプレーヤーが入り乱れることになります。そんな中、産業構造はどのように変わっていくのかを、今回は考えてみたいと思います。
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イノベーション創出にプレーヤーが入り混じる
オープンイノベーション2.0では、大きく事業モデルが変わることを前回紹介しました。今回は、イノベーションにどのようなプレーヤーが、どのような関わり方をしていくのか、紹介していきます。
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コマツのIT革命、GEとの提携でどう進化するか?
オープンイノベーションは、ネットワークを活用してより広い関係者が関わって顧客価値を創造するように進化しています。実際にどのような取り組みが行われているのか?事例を通してオープンイノベーション2.0の姿に迫ります。
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「下請け」思考を捨てチームとして革新を生む
今回は、個別の企業が1対1で共同開発していくことで始まった当初のオープンイノベーションから、より社会的に広く、大きな課題を解決していくような方向に進化した「オープンイノベーション2.0」を中心に、紹介していきます。
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モノづくりではなくIT活用でエコシステムを創る
2000年初めに提案された「オープンイノベーション」。それを社会により広げるとともに、ネットワークを利用して大きな課題を解決していく方向に進化させた取り組みを「オープンイノベーション2.0」と呼ぶようになりました。
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メーカーは発想を「広角打法」に
前回に続き、経済産業省近畿経済産業局長の関総一郎さんに、日本の「もの・ことづくり」について伺います。IoTでつながることが前提となることを踏まえて、どのように競争力をつけていくのかが重要です。
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IoT時代に求められる「もの」と「こと」の融合
今回の対談のお相手は経済産業省 近畿経済産業局長である関総一郎さんです。行政に携われている立場から、日本の「ものづくり」、「ことづくり」をどのように見ているのか聞いてみました。
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「ことづくり」は成功を類型化できない
米国の企業の中にも、「ことづくり」の強化を目指し、模索している企業があります。前回に続き、日本エマソンの顧問で前日本代表であった土屋純さんに、エマソンにとっての「もの・ことづくり」について伺います。
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米国のものづくり企業が模索する「ことづくり」
製造業のグローバル化によって、「ものづくり」だけにこだわった事業や開発で、先進国の企業が勝ち抜くのには限界が見え始めています。この流れは、日本企業だけに限らず、そうして企業の1つが、米エマソン・エレクトリックです。
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何でも答える産総研になり企業の信頼度アップへ
産業技術総合研究所は、日本を代表する「ものづくり」の研究機関です。この産総研でも、近年は「ことづくり」を目指す動きが出てきました。前回に続き、産総研の理事兼イノベーション推進本部長の瀬戸政宏さんに聞きます。
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変わる産総研、研究者が企業の声を直接感じる
産業技術総合研究所は、日本を代表する「ものづくり」の研究機関です。この産総研でも、近年は「ことづくり」を目指す動きが出てきました。そうした取り組みについて、産総研の理事兼イノベーション推進本部長の瀬戸政宏さんに聞きます。
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IBMはコンサルと共に研究員が動く
日本企業が持続的な競争力を身につけるためには、「ものづくり」と「ことづくり」の両方を高いレベルで揃えることが重要です。日本アイ・ビー・エムの執行役員である久世和資さんに、IBMが考える「もの・ことづくり」を伺います。
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「ことづくり」の先達、IBMが変えてきたこと
日本企業が持続的な競争力を身につけるためには、「ものづくり」と「ことづくり」の両方を高いレベルで揃えることが重要です。日本アイ・ビー・エムの執行役員である久世和資さんに、IBMが考える「もの・ことづくり」を伺います。
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