世界シェア8割の商品を持ち、営業利益率40%という最強製造業。それが今、株式市場を沸かせる産業用ロボットメーカー、ファナックだ。米アップルや独自動車大手も、ファナック無しでは成り立たない。極端に少ない情報開示から、実態はベールに包まれてきたが、最大80%という大胆な株主還元策を打ち出し、話題の中心に躍り出た。富士通の傍流部門から始まったファナックが、なぜここまで強くなったのか。あえて常識の逆を行く、異様なビジネスモデルがそこにはあった。

=文中敬称略
(佐藤 浩実、飯山 辰之介)
(デザイン=藤田 美夏)

ファナックが飛び抜けている
●主要製造業と競合各社の売上高営業利益率
注:シーメンスは2014年9月期、GE、KUKAは2014年12月期。シーメンス、KUKAは国際会計基準。GE、トヨタ自動車、日立製作所は米国会計基準。その他は2015年3月期の日本基準
高い利益率を誇る
●ファナックの売上高と営業利益率、東証1部上場製造業の営業利益率

CONTENTS

PROLOGUE
利益の最大8割を株主に還元
満額回答に隠された真意

PART 1
あえて常識の逆を行く
「異様」なのにはワケがある

PART 2
偉大な父との葛藤
カリスマを継ぐ「雑用係」の意地

PART 3
稲葉善治社長が独白
創業者がいなくても勝ち続ける

日経ビジネス2015年6月8日号 26~27ページより目次