過去2代の都知事が任期中に辞任する混乱の中、緊急登板して1年数カ月。2020年の東京五輪を「日本と東京復活のラストチャンス」と位置付け、矢継ぎ早に手を打つ。五輪後も見据え、日本全体の成長をけん引するための青写真とは。

(聞き手は 本誌編集長 飯田 展久)

(写真=的野 弘路)
PROFILE
1948年福岡県生まれ。71年東京大学法学部政治学科卒業。79年同大学教養学部政治学助教授。99年の東京都知事選に立候補し落選。2001年に参院議員(自民党)初当選。2007年8月から2年余り厚生労働相を務める。2010年4月から2013年7月まで新党改革代表。2014年2月、前都知事の辞職に伴う都知事選に当選。度量の広い人間でありたいという願いから「泰山不譲土壌故能成其大」が座右の銘。

東京五輪を生かせなければ日本再生はあり得ない。
選手村の跡地を水素タウンに。

 問 昨年の都知事選時から「東京世界一」を掲げていますね。どのようなイメージなのでしょうか。

 答 今は「この国に行きたい」というより、「世界のこの都市に行ってみたい」という時代ですから、世界の都市同士が競争しています。参考になるのが森記念財団(東京都港区)のシンクタンクである都市戦略研究所がまとめる「世界の都市総合力ランキング」です。

 2014年版では首位はロンドン、以下ニューヨーク、パリと続き、東京は7年連続となる4位です。けれども、5位のシンガポール、6位のソウルに差を縮められています。交通・アクセスや市場の魅力への評価が伸び悩んでいるためです。こうした世界の大都市が、お互いに追い付け、追い越せ、とやっているわけです。

 都市力は経済、居住、環境、交通・アクセス、防災など総合的な力や魅力で構成されるものです。2020年のオリンピック・パラリンピックの成功のためには、やはり地震発生に備え、防災にも気をつけないといけない。幅広い分野で東京の評価を高め、「世界一」を目指そうというのが大きな狙いです。

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