2015年5月25日号目次
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PROLOGUE
優良外資、「今さら日本殺到」の怪
東急東横線・綱島駅から12分程歩くと、白いフェンスが張り巡らされた広大な敷地が見えてくる。総面積3万7900m2に広がる、旧・松下通信工業の工場跡地だ。この一角に2016年、米アップルの技術開発拠点が完成する。
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人口減? 消費不況? それがどうした!
日本ほど「オイシイ国なし」
あらゆる条件を見ても、今後、市場の急激な拡大は望めそうにない日本。そんな「成熟の国」に、外資が今さら殺到しているのにはそれぞれの理由がある。彼らだけに見えている「ニッポンの魅力」を4つに分類した。
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ニッポンの魅力 1
日本にあまり明るい未来はない──。少なからぬ日本人がそのように感じているのは、この国があまりに多くの社会的課題を抱えているからだ。だが、ジャパンを目指す海外企業の多くは「だからこそビジネスチャンスに事欠かない」と考えている。
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ニッポンの魅力 2
ここへきて日本拠点の構築を進める海外企業の目的は、必ずしも自社の商品やサービスを売ることだけではない。日本を自社の競争力を高める“修業の場”にする──。そんな考えで日本に進出する企業も多い。
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ニッポンの魅力 3
日本が課題先進国であることに着目し、様々な「不安解消・課題解決型ビジネス」を展開しようとする欧米企業が増えていることは既に紹介した。だが中には、不安とも課題とも全く無縁の事業に乗り出す動きも活発化している。彼らが狙うのは「大きなニッチ市場」とでも呼ぶべき分野だ。
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ニッポンの魅力 4
「日本にはグローバルで活躍できる人材がいない」「若者の理系離れで技術力が低下する」──。日本人の競争力について、そうした自虐的論調が幅を利かせるようになって久しい。だが世界には、そんなことをつゆほども考えていない企業が数多くある。
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EPILOGUE
「灯台下暗し」ではもったいない
新潟県小千谷市は隣接する長岡市とともにニシキゴイの世界最大の生産地だ。4月末、そこで開かれたニシキゴイの品評会で、英国人男性が体長18cmの部の表彰台の頂点に立った。オランダに本社を置くニシキゴイ卸業「KoiBito(鯉人)」のアシュトン・ポール営業部長だ。