「もう、『トップバリュ』というブランドなんて、やめてしまおうか」3期連続で営業減益となったイオン。昨年後半、岡田元也社長は幹部に対し、そんな弱音をはいたという。規模では国内最大級になった同社のPB(プライベートブランド)には、「質より安さ」の印象が染み付き、ブランドイメージはここ数年で急速に悪化した。イオンの挫折。その核心は、限界に達した中央集権の拡大路線にある。規模の追求を宿命づけられた、総合スーパーという高度成長期の遺産。イトーヨーカ堂を傘下に抱えるセブン&アイ・ホールディングスも錆びついた事業モデルを捨てられなければ、グループの成長を妨げると怯える。「スーパーの終焉」──。そのリスクを、巨大流通は乗り越えられるか。

(大竹 剛、日野 なおみ、中 尚子)

CONTENTS

PART 1
“イオン化”の挫折、「解体」で出直し

PART 2
セブンに迫る、規模の復讐

PART 3
生存の条件は 「物量」より「知量」


日経ビジネス2015年4月27日・5月4日号 24~25ページより目次