2015年4月6日号目次
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PART 1
どこまで続く 反腐敗の嵐
冒頭の社内抗争が起きた貿易会社はスムーズに商品を出荷するため、約30年にわたり税関職員に現金を渡していた。だが、反腐敗の運動が本格化して以降、幹部職員は摘発を恐れて、現金を受け取らなくなった。
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PART 2
中国が「新常態」に 突き進む必然
『21世紀の資本』で所得と富の分配について明らかにした経済学者のトマ・ピケティ氏。中国には経済が発展するほど格差が広がってしまう歴史的な構造要因が残っており、「新常態」でそれが是正できなければ中国の先行きは厳しいと説く。
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PART 3
失速下でも稼ぐ 5つの鉄則
日本企業にとって、「新常態」は決してネガティブな変化ではない。中国との向き合い方を変えれば、宝の山はまだまだある。成長が鈍化する中でもしたたかに稼ぐ、5つの鉄則を紹介する。
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昨年4月、上海のローソン店舗で「手抓餅(ショウジュワビン)」が発売された。手抓餅とは小麦粉で作った薄いクレープ状の皮で、肉や野菜などを巻いたもの。中国では朝食として食べる人も多く、上海では屋台での値段は5~6元(約100~120円)ほどだ。
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PART 4
「売り上げ9倍」 訪日客が買う秘密
「新常態」は日本の内需産業にとっても無縁ではない。安定成長期を迎えた中国の海外旅行者数は昨年、1億人を突破した。中国人観光客をいかに引き込むか。先駆者たちの取り組みを追った。
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2月中旬の春節真っただ中、本誌記者は、山東省から来た某上場企業の社員とその家族の慰安旅行に同行した。ツアーは5泊6日。関西を回り、箱根で1泊して東京入りした30人の団体客の東京観光に飛び入り参加した。密着取材で明らかになったのは、中国人は浅草で焼き肉を食べ、銀座でシャンプーを買う、意外な行動だった。
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Epilogue
バブルは2度やってくる
日本を訪れる観光客に象徴されるように、中国は豊かになった。今後はがむしゃらとも言えた高度成長から、安定成長と構造改革の両立を目指す。それが「新常態」の意味するところだ。問題は、本当に構造改革を進めることができるか否か。カギの一つとなるのが金融の自由化だ。