昨年からの「ピケティ・ブーム」で、格差論議がかまびすしい。しかし日本の格差の本質は、ピケティ氏の学説で注目された富裕層の占有にではなく、中間層の没落と貧困の拡大にある。月に10.2万円に満たない額で生活する人は、約2000万人。後期高齢者より多いこの層を放置すれば、国の衰退は必至だ。福祉を慈善のようにではなく、投資としてとらえ直す時が来た。

(中川 雅之)

相対的貧困率
経済協力開発機構(OECD)や欧州連合(EU)、ユニセフ(国連児童基金)など国際機関で使われる、その国の貧困や格差の状況を表す指標の一つ。年収が全国民の年収の中央値の半分に満たない国民の割合を指す。

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日経ビジネス2015年3月23日号 24~25ページより目次