3歳の幼児から米グーグルの創業者、米航空宇宙局(NASA)まで──。年間7500万人超のファンを熱狂させている玩具メーカー、レゴの勢いが止まらない。9期連続の増収増益記録を更新中で、今や玩具世界最大手の地位も手に入れた。このデンマーク企業が作るプラスチックのブロックが、なぜここまで支持されるのか。そこには、レゴがこの10年で構築した、イノベーションを継続的に生む仕組みがある。2000年代初頭に同社を破綻の危機に追い詰めた「イノベーションのジレンマ」を克服。復活を遂げたレゴの教訓は、日本企業の革新力を呼び覚ます処方箋になる。
(ロンドン支局 蛯谷 敏、ローラ・スカーレット)
- LEGO(レゴ)
- プラスチック製のブロック玩具メーカー。デンマークの都市ビルンで1932年に創業。非上場で創業家が株式の75%を保有、25%は教育事業などを展開するレゴ財団が持つ。2013年12月期の売上高は253億デンマーク・クローネ(約4310億円)、営業利益が83億デンマーク・クローネ(約1410億円)。「LEGO」は「よく遊べ」を意味するデンマーク語「Leg Godt」から取った。