「荷物は時間通り届くもの」「送料無料は当然」──。あなたはそう思い込んではいないだろうか。電気や水と同じように、あって当たり前とされてきた「運ぶ」という社会インフラ。ネット通販の急拡大による負担増と人手不足が重なり、破綻へと近づいている。これまでのモノの流れを抜本的に変えなければコストは跳ね上がり、米アマゾン・ドット・コムなど高度な物流機能を持つ企業が顧客を独占する。小売りも物流会社もメーカーも、物流を軸に経営戦略を作り直す時がきた。長らく販売や製造を支える黒子にすぎなかった物流が、産業の主導権を握る。その「復讐」の衝撃波は、日常生活から企業の現場、国家戦略にも及んでいる。

(大竹 剛、日野 なおみ、中川 雅之、ロンドン支局 ローラ・スカーレット、熊野 信一郎)

CONTENTS

PROLOGUE
明日、荷物が運べない

PART 1
融合する倉庫と店舗
ロストワンマイルの恐怖

PART 2
再配達ゼロに挑む
ヤマトの最終兵器

PART 3
製造業にとっても「宝の山」
物流は国家なり


日経ビジネス2015年2月2日号 24~25ページより目次