2015年1月26日号目次
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PART1
成功のカギはルールメーキング
トヨタ自動車がFCV(燃料電池車)に関する特許をすべて無償公開した。欧米が主導してきた国際規格の策定に日本も積極的に関わるようになってきた証しだ。自らに有利な国際ルールを導くことで、ビジネスの成功確度は飛躍的に高まる。
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PART2
ルールを制する3つのセオリー
日本が提案する規格を国際的に広めることは、生易しいことではない。しかし、成功事例をひもとくとそこには必ず共通点が見いだせる。利害関係がぶつかり合う国際舞台でどう動いたのか。「勝利の定石」を探る。
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Theory1
一度は国際規格への採用が見送られたが、戦略的な活動で巻き返しに成功したのが、ダイキン工業の事例だ。ダイキンが目指していたのは、エアコンが空気熱をくみ上げて冷却や加熱を行うのに必要不可欠な冷媒について国際標準化機構(ISO)の認証を取得すること。現在、新興国で使われている冷媒は地球温暖化に与える影響が大きいため、ISOは環境負荷が小さな「次世代冷媒」の選定を進めてきた。
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Theory2
「国際ルールを制する一番のポイントは革新的な技術であること。前例がないと、ISOなどの担当者はどのような技術かを詳しく知るために必ず開発企業やその分野の先進事例を知りたがる。
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Theory3
日本が誇る製鉄所の省エネ技術やエネルギー管理手法を新興国に普及させる──。日本の鉄鋼業界は今、新興国への技術供与を通じたビジネスの拡大を着々と進めている。既にインドや、東南アジア諸国連合(ASEAN)の製鉄所を調査した。
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PART3
規格作りはゴールにあらず
日本発のルールを世界標準に高めるには体制作りが必要になる。企業トップの意識改革や世界に伍するための人材の厚みも欠かせない。本誌が挙げる6分野を軸に官民の総合力を発揮すべきだ。