2つ目は単価の下落です。公立の学校へ納入するには市区町村の入札に参加しなければなりません。この入札額がものすごく下がっています。落札額を見ると、私どもの製造原価と同額です。同業他社はどうやって作っているのか、首をかしげたくなります。
以前なら地元企業を優先した入札制度がありましたが、今や価格重視です。品質は二の次。最近、電子入札が普及してからこの流れは強くなりましたね。品質では負けないモノ作りをしているので、とても残念でなりません。
3つ目は需要の減少です。我々のピークは1990年で、当時年間9000万本のチョークを作っていました。それが今では4500万本と半減しています。需要が減った原因の一つは、世間でも言われているように、黒板からホワイトボードなどへと替わったことです。
さらにタブレットを配るなど、教え方にバリエーションが広がったことも挙げられます。
私自身の考えとしては黒板とチョークの組み合わせの方が、ホワイトボードとマーカーよりも良いと思っています。チョークはカキの貝殻などに含まれる炭酸カルシウムが主原料ですから、環境にも優しいのではないでしょうか。
誤った使い方でイメージ悪く
チョークに対する悪いイメージがあることは分かっています。チョークが敬遠される理由の一つに、「手が汚れてしまうこと」が挙げられます。これは誤った使い方によるものです。
多くの教室ではチョークを黒板の溝に置きっ放しにしています。本来、溝はチョークの粉が飛び散らないようにするためのものであって、チョークを置く場所ではありません。