中国、「新常態」を正式確認

 中国共産党・政府は12月11日まで、経済の方向性などを協議する中央経済工作会議を開いた。GDP(国内総生産)成長率で前年比10%超の増加が続いた急成長時代から安定成長時代に入ってきたことを正式に確認。安定成長時代に適応するには、さらなる構造改革が不可欠であると強調している。

 中国の2014年1~9月の実質GDP成長率は前年同期比7.4%増と、政府が目標としていた7.5%を下回った。今年初めから続いている不動産販売の減速や、鉄鋼業などの生産設備の過剰が成長鈍化の要因だ。11月のCPI(消費者物価指数)も前年同月比1.4%増と、5年ぶりの低い伸びにとどまった。

11月のCPIは前年同月比1.4%増と5年ぶりの低さだった(写真は中国河北省滄州市のスーパー)(写真=新華社/アフロ)

 中国政府は今年夏ごろから、「新常態」という言葉を頻繁に使うようになり、中国の経済が高度成長から安定成長の時代に入ったと主張してきた。今回の中央経済工作会議では2015年の成長率目標は公表されなかったが、今後、中国政府は7%程度の成長を目指していくものと見られる。

 安定成長を維持するために一層の改革が必要であることは、中国政府も理解している。不動産投資や低賃金を生かした製造業を中心とした経済構造から、中央経済工作会議が指摘する「質と効率」を重視した構造に転換できるのか。習近平(シージンピン)指導部にとって最重要課題の一つとなる。

(上海支局 小平 和良)

原油安に歯止めかからず

 原油安が顕著になっている。12月11日のニューヨーク市場では、原油価格の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物が、約5年5カ月ぶりに60ドルを割り込んだ。世界的な需要低下観測と供給増が重なっている。

(ニューヨーク支局 細田 孝宏)

欧州で強まる米グーグルへの風当たり

 12月16日、米検索大手グーグルはニュースサービス「グーグルニュース」のスペインでの提供を中止した。同国では来年1月に新たな法律が施行され、検索エンジンに対して配信社がコンテンツ使用料を請求できるようになるためだ。この結果、中南米などスペイン語圏を含む全世界へのスペインの配信社の記事提供が中止される。

 欧州ではグーグルの独占的な地位に対する懸念が拡大。欧州議会はグーグルの事業分割を求める決議案を賛成多数で採択したほか、英国では同社を含むネット企業への課税強化が検討されている。今後、軋轢はさらに広がりそうだ。

(ロンドン支局 ローラ・スカーレット)

弱り目のロシア、したたかなモディ

インドを訪れたロシアのプーチン大統領(左)を歓迎したモディ首相(写真=AP/アフロ)

 12月11日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、インドのナレンドラ・モディ首相と会談。インドに対して、LNG(液化天然ガス)の輸出や原子力潜水艦のリースなどを検討していることを明らかにした。

 ウクライナ問題で欧米と対立するロシアが、非欧米圏のインドに秋波を送った格好だ。欧米ともロシアとも絶妙な距離を取るモディ外交が、弱り目のロシアから「利」を取ったとも映る。日本の安倍外交もモディ首相との親密をアピールするが、インドのしたたかな全方位外交を「両思い」と勘違いしたまま、結果として「利」だけ取られることにならないといいのだが。

(香港支局 池田 信太朗)

汚職問題に揺れるペトロブラス

 ブラジルの国営石油会社、ペトロブラスの経営混乱が続いている。同社は12月12日、2014年7~9月期の決算発表を延期すると発表した。11月にも1度延期しており、これで2度目となる。背景にあるのは、取引先の建設会社との契約を巡る汚職疑惑が広がっていることだ。

 ペトロブラスの元幹部が取引先から賄賂を受け取り、それが政界に流れていたとされる。10月の大統領選でも今回の疑惑が注目を集め、検察当局は同社と取引先の元幹部を起訴した。再選したジルマ・ルセフ大統領は疑惑解明の意向を示しているが、与党にも資金が流れたと見られ、混乱の長期化も予想される。

(ニューヨーク支局 細田 孝宏)

中華スマホ、インドで「待った」

シャオミの雷軍CEOは海外戦略で誤算か(写真=新華社/アフロ)

 12月12日、インド高等裁判所は、中国のスマートフォンメーカー、北京小米科技(シャオミ)がスウェーデンの通信機器大手、エリクソンの特許権を侵害しているとして、インドへの輸入や販売を中止するよう命じた。

 シャオミにとっては、低価格を武器に中国国内でシェアを伸ばし、いよいよ海外展開を進めようとしていた矢先の急ブレーキだ。低価格スマホの巨大市場であるインド市場の雲行きが怪しくなってきただけでなく、中国以外の海外市場では特許侵害で訴えられるリスクがあることが判明してしまった。低価格が売りの中華スマホの海外展開戦略は、その見直しを迫られている。

(香港支局 池田 信太朗)

日経ビジネス2014年12月22日号 146~147ページより目次

この記事はシリーズ「世界鳥瞰(2014年12月22日号)」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。