(写真=下: 読売新聞/アフロ)

 打倒代ゼミ──。東進ハイスクールを運営するナガセは1992年以降、小規模な校舎の新設を次々と仕掛けていく。わずか1年半で加盟校は全国300校を超え、現在は全国883校にまで拡大している。これらの校舎には、対面で教える形式の教室はない。

 あるのはVOD(ビデオ・オン・デマンド)型授業を視聴するブースがひしめく部屋ばかり。受講生は好きな時間に最寄りの東進のブースに入り、1.4倍速で講義ビデオを視聴する「高速学習」に取り組んでいる。「90分の授業を60分で学べる。もっと言えば、1年分の授業を2週間で学べる」(ナガセ)。

 こうした形態の校舎に、大規模な教室や大量のスタッフは必要ない。このような小規模・多教室展開の結実の象徴として2011年、沖縄県宮古島の東進生が、島で初めて東京大学に現役合格を果たした。

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