関 輝明
外国映画輸入配給協会事務局長

 洋画の興行収入は10年前の6割程度の水準に落ち込んでいるが、ここ数年は800億円前後で横ばいが続く。今年は社会現象になった米ディズニーの「アナと雪の女王」と「マレフィセント」の2本だけで320億円を達成。興行収入の回復が見込まれる。

 「ターミネーター」や「ジュラシックパーク」の続編に加え、「スターウォーズ」新3部作の公開が予定されるなど2015年は大作が目白押し。世代を超えて楽しめる娯楽作品が増えることにより映画館への来場機会が増えれば、洋画全体の盛り上がりにもつながる。先行きに大いに期待したい。

ヒット作で洋画の低迷は底を打った
●洋画の興行収入と映画館のスクリーン数
(出所:日本映画製作者連盟)

 ただ懸念材料もある。円安だ。海外で買い付ける洋画作品の価格が3割程度上昇した。2014年に入り、配給会社も買い付けの本数を絞り込まざるを得なくなってきている。価格の折り合いがつかず断念した作品もあるようだ。

 最近のフランス映画の大ヒット作品となった「最強のふたり」のように、高い評価を受けた非英語圏の良作は多いが、文化的背景の違いから日本での興行収入の予測が難しく、公開本数の増加にはつながりにくいかもしれない。

 シネマコンプレックスの拡大で、映画館のスクリーン数はこの10年では増えた。だが、その陰で予算規模の小さな良作を公開する単館系の映画館が姿を消している。民放の洋画放送枠も削減されており、洋画に触れる機会も減りつつあるのが懸念される。

(構成=林 英樹)

12月15日終値(カッコ内は前週比)

ドル高支援材料が相次ぐ

尾畑 秀一
野村証券投資情報部マーケット・エコノミスト

 米国の好調な年末商戦や利上げに対する期待感がドル高の支援材料となる。原油安によるインフレ圧力の低下はドル安要因になるとの見方があるものの、むしろ米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の弾力性が高まり、市場の安心感を醸成する。ドル高・円安基調は続くだろう。


NISAが需給面でプラスに

野間口 毅
大和証券投資戦略部株式ストラテジスト

 景気を下支えする経済対策の閣議決定や法人税減税を柱とする与党税制改正大綱の取りまとめが年内に終えられる点は株価にとって好材料だ。少額投資非課税制度(NISA)を通じた個人の駆け込み購入も需給面でプラスに働く。日経平均株価は大納会に向け上昇基調を強める。


欧州発の金利低下圧力続く

森田 長太郎
SMBC日興証券金融経済調査部チーフ金利ストラテジスト

 インフレ率鈍化の見通しから、年明け以降、欧州中央銀行(ECB)が国債購入に踏み込む可能性が濃厚となってきた。原油安は日本のインフレ率も鈍化させるが、日銀がすぐに対応することはない。だが、欧州発の金利低下圧力で日本の10年債が0.3%台での推移になる可能性もある。


円相場(対ユーロ)
米国株(NYダウ)
中国株(上海総合)
原油価格(WTI)

(構成=武田 安恵)

日経ビジネス2014年12月22日号 24ページより目次

この記事はシリーズ「時事深層(2014年12月22日号)」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。