医師として駆け出しの頃、アルバイトで働いていたのが東京・上野に当時あったホームレスの人を診る診療所でした。それまで大学で教育を受けてきた医療とは、言ってみれば大きな病院に来られる余裕のある人を対象にしたもの。社会的に弱い立場にある人たちに対しては、医療というのは無力に近い。病気そのものより、背後の社会状況が変わらなければ患者さんは救われない、と強く感じるようになりました。