2014年11月24日号
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特集 日本の革新者2014
ホンダジェット離陸 不可能成し遂げた戦略家
2015年、新しい航空機メーカーが誕生する。7人乗りの「ホンダジェット」を製造するホンダエアクラフトカンパニー(米ノースカロライナ州)だ。米航空当局の型式証明が取れ次第、顧客への納入が始まる。30年近くホンダの飛行機開発を率いてきた藤野道格は、いかにしてゼロから航空機メーカーを造り上げたのか。
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特集 日本の革新者2014
Part1 常識の破壊者
閉塞感深まる日本の産業界に必要なのは、桁違いのノベーションだ。そのためには、産業を問わず、従来の常識を破壊することが欠かせない。まずは不可能を可能にした6人の「常識の破壊者」を紹介する。
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特集 日本の革新者2014
若き職人が作る ワクワクする車椅子
今年9月、電動車椅子の常識を覆す乗り物が日米で発売された。斬新なデザインと砂利道も走れる機動性が売りの「WHILL(ウィル)Type-A」だ。2014年度に250台の販売を見込み、来年には台湾での量産も始まる。安全性が重視されるため、スタートアップには向かないと言われてきた乗り物作り。実現したのはWHILLのCEO(最高経営責任者)、杉江理の強い意思だ。
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特集 日本の革新者2014
夢のコンピューター 引き寄せた理論
実現は早くて50年後と考えられてきた量子コンピューターの実用化が始まった。原動力は、東京工業大学教授の西森秀稔が考案した一つの理論。「役に立たない」はずの基礎研究は、社会を一変させる注目技術に飛躍した。
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特集 日本の革新者2014
モノより心の豊かさを 新世代の社会起業家
社会問題に切り込む社会起業家を目指す若者が増えているが、多くはあくまで「モノ」による支援。それに対し、向田麻衣は新興国で精神的被害に苦しむ女性に対して「心の豊かさ」を支援する。
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特集 日本の革新者2014
調理家電のアイデアマン 再建の「種」をまく
液晶への過剰投資が原因で、経営危機に陥ったシャープ。復活に向けた新規事業の創出にいち早く取り組むのが白物家電部門の田村友樹だ。5年後、10年後を見据えた新たな事業の「種」が生まれつつある。
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特集 日本の革新者2014
鉄道少年が紡いだ夢 自力で動く内視鏡へ
産業化で欧米に後れを取り、輸入超過が続く日本の医療機器。九州工業大学教授の伊藤高廣は、体内で自走する画期的なカプセル内視鏡の実用化で、その壁の打破を目指している。鉄道に夢中になった少年の日の経験が、思わぬ形で花開こうとしている。
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特集 日本の革新者2014
Part2 日本文化の伝道師
「常識の破壊者」が革新的製品を開発してもそれだけでは日本は復活しない。日本が存在感を取り戻すには、その革新的製品を世界に伝え歩く者が必要だ。様々な分野で活躍する「日本文化の伝道師」たちに学ぶべき点は多い。
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特集 日本の革新者2014
倒産寸前の酒蔵を再建 日本酒を海外に売り込む
国内のみならず海外でも高い評価を受ける純米大吟醸「獺祭(だっさい)」。海外での日本食ブームの牽引役としての期待も高い。製造元である旭酒造の社長を務める桜井博志の人生は逆境の連続だった。
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特集 日本の革新者2014
荒れた田畑を再生 農業経営実践の場に
農業ベンチャー「マイファーム」(京都市)を展開。手入れが行き届かず荒れた「耕作放棄地」を貸農園として再生し、就農を希望する都市住民を支援している。TPP(環太平洋経済連携協定)交渉で日本農業の競争力が改めて問われた2014年は持続可能な農業に向けた糸口として注目を集めた。
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特集 日本の革新者2014
工芸品の「ユニクロ」 地域活性の起爆剤に
1716(享保元)年に創業した麻織物問屋、中川政七商店(奈良市)の13代目。「ユニクロ」などカジュアル衣料ではなじみ深いSPA(製造小売り)ビジネスモデルを伝統工芸品で初めて本格展開した。後継者不足や販売不振で伝統工芸品メーカーの廃業が相次ぐ中、企業の垣根を越えた経営指導にも力を入れる。
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特集 日本の革新者2014
Part3 組織を変えた異端児
革新的な商品やサービスを生み、それを分かりやすく世界に伝える──。旧態依然とした組織の中からは、それを担う人材は生まれない。日本が変わるには、老朽化した組織をよみがえらせる「異端児」も欠かせない。
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特集 日本の革新者2014
マグロ養殖を自ら事業化 稼ぐ大学の先兵に
成魚に育つ確率が1%にも満たないとされる高級魚クロマグロ。卵から人工で育てる「完全養殖」の事業化にいち早く成功し、大学の掲げる「実学の精神」を象徴するプロジェクトになった。独自の魅力ある大学づくりが注目され、2014年度の一般入試志願者は初の全国1位になった。
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特集 日本の革新者2014
地元愛をすくいあげる 地方再興請負人
全国1800市区町村の半数が2040年までに消滅する――。「日本創成会議」が今春まとめた予測は多くの地方に衝撃を与えた。「どうすれば地元を元気にできるか」。道の駅「萩しーまーと」駅長の中澤さかなは全国を歩き、埋もれた資源と人の力を引き出し続ける。
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特集 日本の革新者2014
産業界に新生態系創る 起業技術者のモデルに
「技術立国」を掲げる日本だが、内実は危機的だ。基礎研究の成果は海外に流れ、新産業が生まれない。東京大学発ベンチャー、AgIC(エージック)創業者の清水信哉は、日本の技術者を覆う閉塞感の打破に挑む若き起業家だ。
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特集 日本の革新者2014
クレイジーが革新を生む
日経ビジネスが選んだ、2014年に花開いた日本のイノベーター12人。閉塞感に悩む日本で、彼らはなぜ変革を起こすことができたのか。その発想や行動原理を、5つのキーワードから読み解く。