9月28日深夜に香港市街地で起こった民主派の大規模なデモが続いている。普通選挙の実施を求める大学生、高校生らの授業ボイコット運動に端を発したものだ。勝ち目のない無謀な反抗。だが、それを知りながらも彼らは立ち上がらずにはいられなかった。

 「これが勝ち目のない戦いということはあなたに言われなくても十分に分かっている。それでも、僕たち学生が立ち上がらなければ誰が立ち上がるというのですか」

 学生リーダーの一人は、9月半ば、怒気を含みつつ、記者にほとんど聞き取れないほどの小声でこうつぶやいた。

 2017年の香港行政長官選挙における普通選挙の実施を求め、授業を1週間ボイコットすると発表した学生団体のリーダーの一人だ。記者の質問は「中国政府が制限付きの選挙を実施するという方針を決めた以上、抗議活動しても覆るとは考えにくい。落としどころはどこなのか」というもの。明確な回答の代わりに返ってきたのが、怒りのつぶやきだった。

次ページ 人民解放軍が出動したとの噂も