深刻な人手不足に直面する企業が定年や任期満了で退職した自衛官の採用に動いている。大型車の運転免許などの資格や民間育ちでは身に付きにくい規律や礼儀正しさが注目の的だ。「第二の人生」の視界が良好なため、キャリアパスとして自衛官を志す若者も増えている

アート引越センターの作業スタッフとして活躍する元・自衛官の樋口翔三さん(名古屋市)(写真=堀 勝志古)

 「アート引越センター」で知られる引っ越し大手、アートコーポレーションの名古屋支店(名古屋市)では、この春から威勢の良い挨拶や掛け声が響くようになった。元・航空自衛官の樋口翔三さん(24歳)が、引っ越し作業スタッフとして同支店で働き始めたからだ。

 樋口さんは高校卒業後に入隊し、小牧基地(愛知県小牧市)で隊員の食事作りなどを担当していた。2014年3月に退官し、翌月に中途採用でアートに入社した。「人を助ける仕事を続けたくて、アートを再就職先に選んだ」とやりがいを話す。

 アートが退職した自衛官の中途採用を始めたのは2013年。現在は西日本地区を中心に15人が働く。「退職自衛官の多くは大型免許を持ち、厳しい訓練を経て礼儀正しさや規律も身に付けている。顧客と接する引っ越しスタッフに向く」(川口浩平取締役)。同社の正社員全体に占める退職自衛官の割合はまだ1.5%程度だが、今後は東日本での採用も積極化する。

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この記事はシリーズ「時事深層(2014年9月8日号)」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。