(写真=左・右:陶山 勉、左下:北山 宏一、中下:朝日新聞、右下:時事)

東京五輪の開催決定や政府の国土強靭化計画などで、建設業界が活気づいている。だが、足元では施工ミスや火災など、現場の「技能崩壊」が原因のトラブルが絶えない。需要拡大の一方で、建設現場は人手不足、資材高騰と併せた三重苦に喘いでいる。

 和歌山県の空の玄関口、南紀白浜空港から車で約10分。白浜町の中心部に入ると、周囲をフェンスで覆われた5階建ての建物が姿を現す。町内有数の総合病院、白浜はまゆう病院だ。本館の建て替え工事を進めているが、完成は2014年8月と、当初計画から1年6カ月も遅れる見通しだ。

 工事遅れの原因は、最初に受注した施工業者、日本国土開発のミス。2011年12月、83本ある地下1階の柱のうち、61本に国が定めた施工基準以上のズレがあったことが判明した。同基準では2cm以内のズレしか認めていないが、最大で12cmずれた柱もあった。壁や柱の中心を合わせる作業の管理が不十分だったことが原因だ。

 白浜はまゆう病院は日本国土開発との契約を解除し、施工業者を戸田建設に変更。日本国土開発が施工した基礎部分を取り壊し、戸田建設が再度造り直すことになった。

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