購買力平価ベースの試算によれば、米中のGDP(国内総生産)は年内に逆転する。巨大化する中国経済は、アジアへの影響力をますます増していくだろう。中国・習近平政権は、アジアの安全保障を担う意思を示して米国に挑みつつある。対して米オバマ政権は「アジア旋回」を宣言し、同盟国を歴訪してTPP交渉を進め、対抗する。互いを必要としながらも牽制し合う米中二国がパワーゲームを演じる時、その舞台となるアジアには何が起こるのか。各国が迫られるのは、痛みや苦さを伴う「開国」なのかもしれない。

注:英フィナンシャル・タイムズが、世界銀行の国際比較プログラム(ICP)が4月末に弾き出したPPP(購買力平価)を使い、国際通貨基金(IMF)が発表している直近の「世界経済見通し」の成長率をベースにGDP(国内総生産)を算出、発表したもの。なお、PPPとは、モノやサービスの価格を基準に考えた為替レート。例えば商品Aがある国で1ドル、ある国で100円の場合「1ドル=100円」となる。これを基に、GDPの総額が、どれだけのモノやサービスと交換できるかを考えたのがこの試算。物価が安い国ほどPPPベースのGDPはより大きくなる
出所:世界銀行、IMF、英フィナンシャル・タイムズ
(写真=左からAP/アフロ、的野 弘路、AP/アフロ/ロイター/アフロ、読売新聞/アフロ、代表撮影/Abaca/アフロ)
(香港支局 池田 信太朗)

CONTENTS

プロローグ
南進する中国、慄くアジア

DATA Influence From US and China
アジアを染める中国経済

PART1
中国がもたらす恩恵と恐れ

PART2
華禍論より「自由の輪」

マハティール元首相 インタビュー
時間差の許されぬ世界へ

日経ビジネス2014年6月9日号 22~23ページより目次