2014年6月9日号
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特集 アジアの苦悩
南進する中国、慄くアジア
南シナ海にせり出すように赤いラインが引かれている。中国が領有権を主張するために引いた9本の線をつなげたもので、「九段線」と呼ばれている。その形状は、まるでインド洋と東アジアを結ぶ“海上の道”の要衝に対する「欲望」をそのまま示すようだ。
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特集 アジアの苦悩
アジアを染める中国経済
貿易額、投資額、入国者数をもとに、米中両国から各国・地域への影響度を塗り分けた。巨大化する中国経済と無縁でいられる場所は、アジアにはもうない。
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特集 アジアの苦悩
中国がもたらす恩恵と恐れ
台湾立法院が23日間、学生たちによって占拠された。小さな偶然から始まったその事件が浮かび上がらせるのは、「経済」の恩恵と「政治」の断絶とのあわいで戸惑う台湾の姿だった。
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特集 アジアの苦悩
華禍論より「自由の輪」
バナナ農家を泣かせた突然の検疫強化は「政治的な報復」と言われた。避けがたい経済力を握った中国と周辺国が不信の応酬を繰り返している。大国の横暴を許さないためには、多層的な「自由の輪」に取り込むほかない。
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特集 アジアの苦悩
時間差の許されぬ世界へ
発展途上の経済には保護が必要だ、中国抜きのTPPに意味はない──。マレーシア経済の安定と成長を牽引したアジアの哲人政治家は喝破する。その発言には、グローバリズムの奔流に直面するアジアの苦悩が浮かび上がる。