安く作り、安く売る──。日本企業が20年近く志向してきたデフレ対応型の経営が、原材料費の高騰や市場の成熟を背景に、行き詰まりつつある。4月の消費増税もあって多くの企業は値上げを打ち出しているが、環境変化を乗り切るには、価格戦略の変更だけでは不十分だ。製造から販売まで会社のあらゆる仕組みを見直し、「高く売る体制」を構築することが欠かせない。デフレ型から脱デフレ型へ経営モデルを転換することは中長期的にも、日本企業が生き残るための重要な条件となる。

(宇賀神 宰司、宗像 誠之、田中 深一郎)

3斤3000円以上する食パンは実在し、既に消費者の支持を得ている。典型的な「脱デフレ型ビジネスモデル」だ(詳細はPART 3。写真はイメージ)(写真=多田 誠一郎)

CONTENTS

PART 1 このままではもう持たない
苦渋の値上げ最前線

PART 2 値上げだけでは不十分
7つの発想転換がカギ

PART 3 人口減が迫る現実
デフレ型、余命5年

日経ビジネス2014年4月7日号 22~23ページより目次