中国の日系企業で、メディアに標的にされることへの警戒が広がる。CCTVに批判されたニコンは、一眼レフカメラが販売停止になった。巨大権力を持つ国営メディアにどう向き合えばいいのだろうか。

 「まさかうちが狙われるとは思わなかった」。ニコンのある幹部はこう話す。 発端は3月15日、中国中央電視台(CCTV)が人気番組「3・15晩会」で、ニコンの一眼レフカメラ「D600」に黒い粒状の像が映り込むとの批判を展開したこと。翌日、上海市の工商局から販売停止命令を受ける事態となった。

異質のメディア、中国中央電視台本社(北京市)(写真=Getty Images)

 18日、中国法人のサイトで謝罪し、生産終了モデルのため出荷分の回収で対応した。28日には無償交換策を発表、早期収拾を急いでいる。

 ニコンが恐れるのは米アップルの二の舞いになることだ。昨年、同番組は「iPhone」などの保証が他国に比べて不十分と批判した。当初アップルは「世界で同じサービス基準を採用している」と反論したが、その後も批判は続き、半月後にティム・クックCEO(最高経営責任者)が謝罪に追い込まれた。

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