創業来と言われる大胆な事業構造の組み替えによって、就任から2年足らずでパナソニックを回復軌道に乗せた津賀一宏社長。2期連続で7000億円を超える最終赤字を計上した「デジタル家電の負け組」は、2013年4~12月期には過去最高の最終利益を叩き出すまで回復した。キャッシュフローの創出と復配で資本市場の信頼を取り戻した津賀社長の手法は、金融緩和と財政出動で株高を演出した安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」に重なる。
そして両者の課題が、新たな価値を生み出すための成長戦略であることも全く同じだ。「ツガノミクス」は2014年、反転攻勢に向けどんな成長戦略を打ち出すのか。その成否は一企業の命運にとどまらず、日本の産業界の未来をも左右する。

(佐伯 真也、白石 武志=日本経済新聞社産業部、田中 深一郎)

CONTENTS

1章
成長へ果てなき宝探し

2章
「ツガノミクス」の真実

3章
「クルマ」「イエ」2兆円への工程表

4章
「BtoB」で勝つ条件

日経ビジネス2014年3月3日号 22~23ページより目次