ワクワク感をもう一度

「クルマ離れ、10の処方箋」(12/2号)

 自動車に対する消費者の要求は、多様化の一途をたどっている。わざわざお金を貯めて買うほどのステータスはなくなったし、都会ではもはや生活必需品ではない。仮に一時的に必要であれば、レンタカーやカーシェアリングといった手段を利用することも可能だ。

 現状、自動車メーカー各社は、ある機能に特化して魅力を打ち出している。消費者の多様な要求をある程度満たすことが販売につながるだろうが、それも一過性の現象だろう。運転支援機能や居眠り防止機能、ヘッドアップディスプレーによる表示機能の導入が進むのは楽しいことだと思うが、私自身は購買意欲をかき立てられない。昔のように、どうしても手に入れたいとワクワクした興奮をもう一度味わいたいものである。

竹内 宏和(愛知県、アルバイト、58歳)

編集部から

 自動車メーカー各社も若い世代のクルマ離れに危機感を感じています。「魅力的なクルマを作りたい」という熱意を持つ人材が採用しにくくなれば、日本で開発する意味が薄れてしまいます。経営的には、こちらの方が根の深い問題かもしれません。

/熊野 信一郎

日本の底力に自信

「『3Dプリンター』の先を狙う」(11/11号)

 樹脂などを積層して手軽に立体物を作る「3D(3次元)プリンター」の、次を見据えた技術の開発が進んでいることを知り、日本のモノ作りの底力に意を強くした。

 3Dプリンターそのものの登場にも驚いたが、現状では樹脂製品の少量生産には向くが大量生産は難しい。記事で紹介されていた、パナソニックと工作機械メーカーの松浦機械製作所が共同で開発している技術は、そうした3Dプリンターの弱点を克服するものだ。ボタン操作1つで設計データを基に特殊な金属粉末を積層し、強度や耐久性に優れた量産用の金型を作る。いわば「金属版の3Dプリンター」と言える。

 今や日本の企業にとって、モノ作りで新興国の安い人件費に頼る時代は終焉を迎えているのではないだろうか。革新的な技術開発こそが失われつつある競争力を高め、製造業の復権につながる。こうした技術開発の拠点を国内に広げてこそ、強い経済を築き上げることができるだろう。

比嘉 寛(沖縄県、無職、83歳)

編集部から

 パナソニックの3次元造形金型の製造コストは、海外で作られる従来の金型と比べると割高です。普及に向けて、3次元造形ならではの強みを生かすことが必要になります。1月20日号特集でも紹介したように、米シリコンバレーでも野心的なハードウエア企業が次々に台頭しており、日本もモノ作りの発想力が一段と問われるようになってきています。

/田中 深一郎

日経ビジネス2014年1月27日号 96ページより目次

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