回復が続く米自動車市場で、欧米や韓国メーカーによる「日本車包囲網」が狭まっている。石油価格下落で低燃費の優位性が通用しにくい中、日本車の牙城にライバルが攻め込む。頼みのアジア市場が揺らぎ、米国依存が高まっており、新たなリスクになる可能性もある。

 今年1月、米デトロイトでの北米国際自動車ショー。シェールガス革命を受けて原油価格が上がりにくくなっていることもあり、大型車や高級車が話題を集めた。裏を返せば、低燃費・小型を武器とする日本車の優位性が揺るぎかねないということだ。この機を捉え、日本車の牙城を崩そうとライバルの攻勢が始まった。

 「2013年、メルセデスブランドの販売は前年より14%増えた。米国で売れている高級車5台のうち1台はメルセデスだ」

 独ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長は自信を見せる。主力ブランド、メルセデス・ベンツの米国販売台数が昨年、独BMWを抑えて高級車市場でトップに立った。このショーを世界初公開の場に選んだメルセデスの新型「Cクラス」でその地位を盤石にしようと、ツェッチェ社長は意気込む。

独ダイムラーは北米国際自動車ショーで新型メルセデス・ベンツ「Cクラス」を発表。トヨタ自動車の「レクサス」など競合を突き放す(写真=AP/アフロ)

次ページ 販売奨励金、膨らむ恐れ