医療において欠かせないヘマトロジー(血球計数検査)分野の検査機器でシェア4割。リーマンショックを越えて、12期連続の増収増益を達成した。機械から試薬・サービスへ、ビジネスモデルの大転換を果たしたその極意とは。

写真=村田 和聡
家次恒(いえつぐ・ひさし)
1949年生まれ。73年京都大学経済学部卒業、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。86年、東亞医用電子(現シスメックス)に入社、取締役に就任。90年3月常務取締役、96年4月専務取締役。96年6月から現職。シスメックスのグローバル展開を推し進めると同時に、医療機器のハード中心から試薬とサービス・サポート中心へとビジネスモデルを大幅に転換。リーマンショックを挟み13期連続の増収、12期連続の営業増益を成し遂げている。

 問 医療機関や人間ドックは、シスメックスの血液検査機器抜きには成り立たないと言われます。我々が普段目にすることのない血液検査の舞台裏は、どのようになっているのでしょうか。

 答 皆さん、健康診断とか人間ドックを受けると、注射で採血しますよね。例えば大学病院なんかでは、その試験管を手で開けることはほぼなくなっているんです。キャップを開けた瞬間に目に見えない血液がわっと出て、万一の感染リスクがあることから、今はほぼ自動化されています。

 ポンとセットしたら勝手にいきますよ。血液の入った試験管をセットしたら検査してくれて、前回データとの違いも調べてくれます。こうした仕組みの先駆けを、シスメックスがやったんです。

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