(写真=時事)

 煙を吸い込み、何度も嘔吐した。真っ暗なトンネルで、目の前に祖母の幻影が浮かんだ。

 俺は死ぬんだ──。そう覚悟した。

 釧路の勤務医、新藤純理は、今もその光景が脳裏に焼きついている。2011年5月27日、石勝線の特急が急停車した。そして、火の手の上がった車両から乗客が逃げてくる。

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