1980年代から世界の経営論壇をリードしてきた戦略論の第一人者。「ポーター賞」の審査を通じて、日本企業の経営を見続けてきた。碩学の目に今の日本と日本企業の姿はどう映っているのか。

写真=菅野 勝男
マイケル・ポーター 氏
米ハーバード大学教授。1947年生まれ。米プリンストン大学で航空宇宙工学と機械工学を学び69年に卒業。ハーバード大学大学院で71年MBA(経営学修士号)を、73年経済学博士号を取得。以来同大学で講義を続け、82年に史上最年少で正教授に就任。80年に発表した『競争の戦略』や85年の『競争優位の戦略』といった主著で、「ファイブフォース」や「バリューチェーン」などの独自の分析手法を提唱。30年余りにわたり世界の経営戦略論をリードし続けている。

 問 一橋大学が2001年に創設し、独自性があって優れた戦略を実践している日本企業を表彰する「ポーター賞」。その授賞式に参加するため、ほぼ毎年日本を訪れています。昨年12月上旬に来日した折には安倍晋三首相に面会されたそうですね。どのような印象を持たれましたか。

 答 非常に感銘を受けました。私は過去にも多くの首相にお目にかかっています。何しろ日本の首相は度々交代してきましたから(笑)。

 (前任者たちと比べると)安倍首相は日本が直面している問題をよく理解していて、本当に改革を成し遂げようと決意を持って臨んでいる。さらに首相は熟達したリーダーで、改革に意欲的に取り組み続ける強さを持っていると感じました。

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