シリーズ
シリーズ検証

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元凶
「どんなに作業量が多くて大変でも、売り上げが見込めない時間帯はワンオペにせざるを得ない」。牛丼チェーン「すき家」のある店舗で、店員のシフトを組む担当者はこう明かす。すき家では人員配置を考える際に、担当者は「労時」という労…
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野望
「世界を飢餓から救うために、必要なんだ」2012年10月、ゼンショーホールディングス(HD)が都内で開いたグループ社員向けの説明会。社長の小川賢太郎は集まった約1000人を前に、同月に初めて手掛けたスーパーマーケット買…
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臨界
7月中旬、東京・高円寺。駅から少し離れた牛丼チェーン「すき家」中野西店を訪れると、店は空っぽになっていた。カウンターや椅子、厨房機器などがすべて運び出され、看板も取り外されている。
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後塵[最終回]
STAP細胞はあるのか、ないのか。7月、2台のビデオカメラが監視する理化学研究所CDB(発生・再生科学総合研究センター)の実験室で、小保方晴子が参加する検証実験の準備が整った。
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迎合
1月29日に理化学研究所が発表したSTAP細胞の研究成果。国内のある生命科学研究者は、理研のプレスリリースを一読して強い違和感を覚えた。目に留まったのは、要旨に記された「短期間に効率よく万能細胞を作る方法を開発しました」…
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屈折
「これは重要な問題ではないか」。2012年8月に公表された、国の再生医療研究プロジェクトの事後評価報告書。その審議過程で国内のある研究チームから提出された資料に、評価委員たちの表情は固まった。
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空疎
「孤立した環境で実験をさせない」「良いデータが出たら慎重に検証する」「研究者は前職の機関や紹介者に確認して採用する」──。理工系の雄、東京工業大学。2012年4月以降、一定金額以上の予算がつく全研究計画を対象に、聞き取り…
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暗転
「先輩の研究とどこが違うの? 自分の研究部分を明らかにしないと。意味ないよ!」。2006年2月、早稲田大学理工学部(当時)の研究棟の廊下に、怒気を含んだ声が響いた。
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展望[最終回]
「もしあの通りになったら、経産省さんはちょっとお気の毒ですね」。5月中旬に霞が関を駆け巡った1本のニュースを、ある省庁の幹部はこう振り返る。
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胎動
5月最後の週末。福岡市中心部のビルの一室に、会社員や学生など15人が集まった。「ビットコインをベースに、地域で通用するチケットを作れないか」「新しい通貨を開発するなら、取引の安全性を担保する策を考える必要がある」。出席者…
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胡乱
マウントゴックスの資産は、なぜ消えたのか。警視庁などが情報収集を続けるが、真相はまだ闇の中にある。
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無為
2011年6月。マルク・カルプレスが経営権を握った直後、マウントゴックスは早くも問題に直面する。ハッカー攻撃を受け、取引所の機能が停止に追い込まれたのだ。この危機を見てビットコイン推進者らは、カルプレスに支援を申し出る…
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消失
仮想通貨「ビットコイン」の大手取引所マウントゴックスを運営するMTGOX(マウントゴックス、東京都渋谷区)の経営破綻から、3カ月が経つ。
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幕引[最終回]
みずほフィナンシャルグループは4月22日、委員会設置会社へ移行後の新体制案を発表した。取締役会の議長には元経済財政担当相の大田弘子を起用。日立製作所前会長の川村隆らを迎え、社外取締役は6人体制となる。狙いは経営の執行と監…
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怠慢
会議、会議、会議──。 あるシステム会社の担当者は月に何度も開かれる「意見交換」にあきれ果てている。参加者は日立製作所、富士通、日本IBM、NTTデータの4社にみずほ銀行の担当者ら。2016年末に構築する次期システムを検…
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疫神
「審査は無事通りました」 5年前。関東の指定暴力団系列の組に属した元暴力団員の目の前で舎弟の携帯電話が鳴った。オリエントコーポレーションの店舗からだった。
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限界
「銀行、証券、信託銀行はまとめるが、不動産やリースなどの系列会社はまとめない。それが暗黙の了解事項だった」
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弥縫
4月1日、朝10時過ぎ。東京都内のホテルでみずほフィナンシャルグループ(FG)の合同入社式が開かれていた。大宴会場に整然と座る1456人の新社会人は、神妙な面持ちでトップの言葉に耳を傾けた。
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代償[最終回]
日本初の自治体破綻に追い込まれた北海道夕張市。炭鉱の閉山による悲劇から再生に向かう街が、再び悪夢に襲われている。震源地は工業団地の中にひっそりと建っていた。アクリフーズ夕張工場。
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怨念
「何で、こんな人事制度を入れたんだ…」毒物混入事件が起きた直後、マルハニチロホールディングスの経営陣は、アクリフーズからの報告に言葉を失った。