年内妥結を目指していたTPP交渉の越年が決まった。関税撤廃などの争点を巡る溝は深く、長期化する恐れも。ほかの「メガFTA」交渉の先行きにも暗雲が垂れ込める。

 日本や米国などが年内の妥結を目指していたTPP(環太平洋経済連携協定)交渉の越年が決まった。シンガポールで開催された閣僚会合で、関税撤廃や新薬特許の守り方などを決める知的財産、国有企業の扱いなどの難航分野を巡り、米国とほかの国との主張の溝が埋まらなかったためだ。

 「日米とも、国内事情や交渉戦術上、今回の会合でカードを切る状況ではなかったということだ」。日本政府の交渉関係者は舞台裏をこう解説する。

 実は、閣僚会合に先立ち米通商代表部(USTR)のフロマン代表、バイデン副大統領が相次いで訪日し、日本の主要閣僚などとの会談を終えた時点で、米は年内の妥結にこだわらない方針を固めていた可能性が大きい。

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