シルバー人材センターという名称をプラチナ人材センターに変えてみてはいかがでしょうか。ご存じの通り、同センターは高齢者向けに仕事を受託して提供する組織で、全国の自治体に置かれています。しかし、私の偏見かもしれませんが、どこかシルバーという響きが良くない。活力を感じさせません。これからの時代、高齢者が働くというのは、健康であり、社会に求められている証し。もっとポジティブな表現を使った方が、社会全体が元気になると思います。

 年金をテーマにした今号の特集には、全国の自治体ばかりでなく、韓国からも視察団が訪れる「福岡県70歳現役応援センター」の事例が紹介されています。高齢社会の進展に伴う社会保障負担の問題は、アジア諸国がやがて直面する共通の悩みです。もちろん、消費増税などによって収入を増やすことも、過剰な薬剤投与や病床数の削減で支出を減らすことも重要でしょう。しかし、もう1つの解決策は、元気な高齢者には、「支えられる側」から「支える側」に回ってもらうことです。

 一般的に生産年齢人口、いわゆる現役世代の定義は「15歳から64歳まで」とされています。しかし、誰が決めたのでしょう。私の周囲では65歳を超えてもすこぶる元気で、むしろ「現役」と呼ばれなくなったことに寂しさを覚えている人が多いように見えます。この生産年齢人口の定義を変えるとしたら、超高齢社会の先頭を走る日本しかないでしょう。元気な人は働く。そのためには、働いている高齢者が一番輝いているという風潮を社会全体で育む必要があります。

(山川 龍雄)

日経ビジネス2013年12月9日号 1ページより目次

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