日本郵船が石油メジャーの仏トタルと油田開発に乗り出す。「川上」の権益から「川下」の輸送まで一気に押さえる戦略だ。浮き沈みの激しい海運市場と一線を画す収益構造に転換する。

 海運大手の日本郵船が原油、天然ガスなどの資源開発事業に本格的に参入することが、本誌の取材で明らかになった。約300億円を投じて中型タンカーを改装し、石油メジャーの仏トタルと北海で浮体式海洋石油貯蔵・積み出し設備を展開する。2013年中の最終契約を目指す。

 日本の海運大手が資源開発プロジェクトに出資するケースはあったが、関連施設のEPC(設計・調達・建設)を通じて事業に直接参加するのは初めて。

 郵船はノルウェーのグループ企業を通じてトタル向けにタンカーを調達し、あらかじめ取り決めた運賃とEPCの受託費用を受け取る。契約は8年程度と見られる。資源開発の「川上」から、「川下」に当たる海上輸送まで一気に囲い込むことで、安定した収益源に育てたい考え。

次ページ マネーが翻弄する造船・海運市場