マツダの自動ブレーキ体験会で、人身事故が発生した。広告合戦の過熱などで、安全神話が先走ったことが背景に。未来の自動運転の根幹となる新技術と、どうつき合うかが問われる。

 ぐにゃりと曲がったフェンスに、「立入禁止」の黄色いテープ。ヘッドランプのかけらが辺りに散らばっている。上越新幹線が走る高架の脇に、その現場はあった。

今回事故が起きたCX-5

 11月10日の昼過ぎ、マツダの「CX-5」は、ウレタンマットを突破し、その先の金網フェンスに突っ込んだ。衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の体験試乗の最中だった。「ガシャーン」という大きな音は、近隣宅まで響いた。

販促の新しい武器に

 運転していた男性客と販売会社・坂田自動車工業(埼玉県深谷市)の従業員の2人が骨折などの重軽傷を負った。自動ブレーキの試乗体験では初めての人身事故だ。誤操作やクルマを模したターゲットの認識不良などが推測されているが、なお原因究明が続く。坂田自動車の幹部は「警察の捜査中だから、話すことはない」と言葉少なだ。

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