中国共産党は3中全会で採択した文書を前倒しで公表した。コミュニケの不評を意識したのか、市場機能の重視をうたう。言うまでもなく、あとは実行に移せるかどうかがカギとなる。

 11月12日に閉幕した中国共産党の第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)。会議での議論の要約版とも言える「コミュニケ」がこの日に発表されたが、具体性に乏しく、しかも国有・公有制を優先する内容で市場の失望を買った。10月末から立て続けに起きた車両炎上や爆発事件の余波もあり、習近平政権が主導権を握りきれていないとの観測を裏づけた。株式相場が軟調に推移したのも周知の通りだ。

 批判の声に配慮したのか、共産党は会議で採択した「改革の全面的深化における若干の重大な問題に関する中共中央の決定(以下、決定)」の全文を、15日に前倒しで発表した。一人っ子政策の見直しや「労働教養制度」の撤廃などと並び、目についたのが効率や公平性を高めるための市場機能の重視だ。改革への道のりは遠く、ハードルはなお高い。だが、かすかな明かりが灯っていることは確認できた内容だ。

一人っ子政策の緩和は経済的な効果よりも、遅ればせながら人権の重視に舵を切った意義が大きい(写真:AP/アフロ)

 一人っ子政策は、「決定」には以下のように記されている。「計画育成の基本的な国策は維持しつつ、(親の)片方が一人っ子の夫婦が2人の子供を産み育てられる政策を始動する」。これまで2人以上の子供を産めるのは少数民族のほか、夫婦がともに一人っ子の場合などに限られていた。

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