企業が顧客を探すのではなく、検索などで顧客の側に「見つけてもらう」──。購買行動の変化に伴って、そうした新手のマーケティングが広がり始めた。新規事業の立ち上げや企業向けビジネス、海外市場開拓で威力を発揮する。

 「インバウンドマーケティング(Inbound marketing)」。多くのビジネスパーソンにとって、まだ耳慣れない言葉だろう。2009年前後から米国で注目され始めた新しいマーケティング手法だ。日本でも2012年頃から認知度が高まってきた。

 直訳すると「入ってくるマーケティング」。あの手この手で売り先を探すのではなく、買い手に自社の製品やサービスを見つけてもらい、選んでもらうという考え方だ。これだけでは、検索サイトに製品名などを優先的に表示されるようにする「SEO(検索エンジン最適化)」を想起するかもしれない。しかしSEOとは異なり、新手法の神髄は、見込み客に見つけてもらうことから成約に至るまでの一連のプロセス変革にある。

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