1940年京都生まれ。日本で外資系製薬会社、飲料会社などで営業・マーケティングを担当した後、サンフランシスコでコンテナリース会社CAIインターナショナルを設立。2007年にニューヨーク証券取引所で上場を果たす。(写真:林 幸一郎)

 夢の再生医療実現に期待が集まるiPS細胞。その第一人者、山中伸弥(京都大学教授)には恩人がいる。米国でコンテナリース会社を上場させ、1代で富を築いた日系人ビジネスマン、ヒロ・オガワ(72歳)だ。

 「あなたにノーベル賞を差し上げることを決定しました。お受けくださいますか」。2012年10月8日、山中の携帯電話が鳴った。「もちろんです。ありがとうございます」。そう返事をしたところ、電話の主は続けた。「ただしこれから2時間は伏せてください」。

 しかし、山中は“無視”した。「プレスよりも先に伝えたい」と、すぐにオガワの電話番号を押した。その2カ月後、ストックホルムで行われた授賞式。1週間にわたって連日、祝賀行事や講演会が開かれる。いわゆる「ノーベルウイーク」だ。そこには山中に同行するオガワ夫妻の姿があった。

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