韓国サムスン電子の腕時計型端末や米グーグルの眼鏡型端末「グーグルグラス」などのウエアラブルコンピューターは、1980年代にマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボで研究していた人たちが花を開かせたものだ。

(写真:Shingo Murayama)

 スマートフォンが大型化するにつれ、人々は小さなものを求める傾向にある。幾度となくウエアラブルの潮流が生まれては消えたが、ディスプレーや通信の技術が発達し、かなり現実味を帯びてきた。今回のウエアラブルの流れは定着すると見ている。

 ただ、私自身は「グラス」を使おうと思わない。見た目が変だからだ。私はファッションの動向は読めないが、少なくとも今の「グラス」はファッショナブルとは言えない。

 比較としてよい例は、かつて新しい乗り物として注目された立ち乗り電動車「セグウェイ」だろう。アイデアは良かったが、いまだに市民権を得られていない。手術してまで眼鏡を外そうとする人がいる世の中で、身体にいろいろと装着するのは不自然だ。

 そうした中、メディアラボの研究は既に次の段階に移りつつある。現在研究しているのは、コンピューターを神経と直接つなげたり、皮膚の下に入れたりといった研究だ。

 今のウエアラブルコンピューターは意識して端末に触れなければならないが、意識せずに動くものも研究対象になってきている。脳の研究が加速しているのも、その一例だ。視覚を失った人に視力を取り戻し、足を失った人に滑らかに動く義足を作る。こうした研究は今後5年ほどで成果が出るだろう。実際に人が装着するまでには時間を要するかもしれないが、決して遠い未来ではない。(談)

日経ビジネス2013年11月18日号 52ページより

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