日本独自の技術である人工の浮島「メガフロート」を、世界へ売り込む動きが始まった。埋め立てに比べ、コストや工期だけでなく、環境配慮の面でも大きな利点がある。燃料備蓄、開発基地など洋上スペースの有効活用へ大きな可能性をもたらす。

 北九州の港を出発したフェリーは、玄界灘を進むこと約40分。白島に建造された「白島国家石油備蓄基地」が、その全容を現す。内部の空洞部分に石油が入ったメガフロートは、海中に大半が沈んでいる。だが一部はメンテナンス作業のため石油が抜かれ海上に浮かび上がり、約20mの鉄の壁が海にそそり立つ。

 「動力がないタンカーを海に浮かべて石油備蓄に使っているイメージ」。石油天然ガス・金属鉱物資源機構の青木宏・白島国家石油備蓄基地事務所所長は説明する。ただ、メガフロートの上に立っても、全く揺れを感じず、海に浮かんでいる物体とは思えない。

 白島のメガフロートは、合計8個。1個当たりの大きさは、長さ397m、幅82m、高さ25.4m。同基地全体で、日本の年間消費量の約10日分(2012年度末時点)に相当する、約560万キロリットルの石油備蓄が可能だ。

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