イラク戦争終結から2年を迎え、日本の商社が再参入の機会をうかがっている。発電所などの新設が本格的に始まり、経済成長率は10%近くと中国をしのぐ。ただ治安や資金調達のリスクは高く、韓国企業などアジア勢との競争も厳しい。

 イラク戦争(2003~11年)の終結から2年を迎え、日本の商社が主導する大規模なインフラ事業が本格的に動き出す。1000億円規模の受注額が珍しくないイラクでの案件は、電力や水道の復興需要にとどまらない。世界5位の原油埋蔵量を足がかりにした成長を見据えて、欧米の石油メジャーやアジア企業との開発競争が始まっている。

 「社外秘=AA・マルヨン案件の獲得に向けて」。11月初め、ある大手商社の役員会議でA3判見開きの資料が3枚配られた。「AA」は、首都バグダッドから約300km離れた北西部アル・アッカーズ(al-akkaz)でイラク政府が検討している火力発電所を示す隠語。「マルヨン」は、その規模が400億円に達することを意味する。

 アル・アッカーズ発電所はイラク戦争が終結して以降、初の新設案件となる。早ければ今年末にも入札が行われる。世界的に注目される大型開発に、少なくとも日本の大手商社4社が名乗りを上げている。

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