与党が「東京電力任せ」の福島第1原発対策の転換を打ち出した。汚染水問題の前進へ東電も廃炉事業の分社化の検討に入った。国の関与や東電の経営形態を巡る論議が加速しそうだ。

 自民党が東京電力福島第1原子力発電所事故への対応に関する提言をまとめた。「東電任せ」から国も一部の責任を負う路線への転換を掲げ、除染作業やそれに伴う廃棄物を保管する中間貯蔵施設の建設・管理などに国費を投入すると明記。東電に対しては、汚染水対策や廃炉事業に集中できるよう、分社化を含む体制見直しの検討を促した。

 自民党は公明党とすり合わせたうえで安倍晋三首相に提示。政府は財源確保などの調整を急ぐ構えだ。東電も原子力部門から福島第1原発の廃炉事業を別組織にする社内分社化の検討に着手、国の関与のあり方や東電の経営形態を巡る論議が一気に加速する展開になってきた。

 「汚染水問題が深刻化し東電任せの枠組みでは収束のメドが立たない。東電が目指す柏崎刈羽原発の再稼働を後押しする狙いもある」。与党がこの時期に国が主導する形への転換を打ち出した背景について自民幹部はこう話す。

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